2008/10/05 滋賀県米原市:伊吹山 byコージ&まっさん
滋賀県最高峰の伊吹山は、琵琶湖国定公園の一部であり日本百名山のひとつでもある。古くは『古事記』や『日本書記』にその名が記され、伝説では日本武尊が山の神との戦いに敗れ傷を負った地とされる歴史的な山。霊峰としても名高い伊吹山は、平安時代に修験道における日本七名山のひとつになり、多くの修行者が訪れました。近畿、北陸、東海とすべての地域に交通の便が良く、軍事的においても都合が良かったため、戦国大名・京極氏が伊吹山中に山城を建てています。
山名の由来としては…冬にこの山から吹き下ろす寒風から、息吹く山、伊吹山になったのではないかと伝えられ、この寒風を「いぶきおろし」ともいいます。
仕事で毎月2〜3回の名古屋出張にはこの山の山麓を通過するだけで、いつかはこの伊吹山に登りたいなぁ〜と、憧れを抱いておりました。
10月5日(日)天候:
メンバー:山川 野村 増田
【西コース・上野登山口コース】
上野登山口(9:47)→一合目林道出合(10:06)=(10:19)→二合目(10:38)→
→三合目WC(11:05)=(11:48)→四合目(--:--)→五合目水場?(12:03)→
六合目避難小屋(12:14)=(12:55)→七合目(13:10)→八合目(13:27)→
→九合目(13:44)→伊吹山頂上(13:52)
登り時間:4時間5分(雨宿りなど休憩多々、避難小屋で軽食休憩も含む)
感想&活動報告♪
週半ばまで晴れマークだった予報は、今回も週末直前になってから急変し微妙な天気に…しかも昼過ぎから崩れだし降雨の予報!今回の山行に妻と娘を連れていく予定だったがどうしようか悩む…。久々の山行を楽しみにしていたようだし、いざと成ればロープウェイもあることだからと安易な考えで連れていくことにした。
当初の計画通り、武生に朝8時集合し出発!久々に高速道路を使い先を急ぐ。滋賀県に入るや否やポツリと雨が落ちてきたが、山間部を抜け木之本に入ると止んだ。長浜ICを降りてからコンビニで買い出し、国道365号を経由し伊吹町上野に入る。いつ雨が降ってきてもおかしくないドンヨリした暗い空。この天候の中ではさすがに登山者も少ないだろうと思いましたが、雨具を着込んだ登山客がパラパラと目に付く。三ノ宮神社近くの民家駐車場に車を停め管理人さんに駐車場代500円を支払う。
身支度中、管理人さんは娘に気づき「1歳?赤ちゃんもいるんけぇ?」と驚いたご様子♪「いざとなったらロープウェイを使いますから〜」と言うと、「あんちゃん、9月からロープウェイ動いてないだよ」って…。マジで?うそ〜?ガーーーン!
野村さんと山川君はもちろん下から登るつもりだったけど、自分たち家族は楽してロープウェイを使おうと思っていた…。3合目まで車で行けるようだが「立入禁止」看板あったし…。仕方なく自分もリフト乗り場の脇の登山口からご一緒して歩くことにぃ。娘をザックに入れて担ぐ。ほんの数ヶ月前までは担いでも軽くて楽だったけど、どんどん成長しておりズッシリ重たくなって肩に食い込む。娘も1歳前にしてよちよち歩けるようになったんだけど、まだまだ山道なんて歩けそうにない。娘を担ぐ父親として、この成長の重みは喜んでいいのか悲しんでいいのかぁ〜♪
百名山とあって道も整備されてるのかなと思ってましたが、所々は狭くて茂みも深く悪路に近い。途中から雨も降り出して、露出した赤土は非常に滑りやすくて、登り難い…。1合目の林道出合に着くがさらに強く雨が降り出してきたので、ロッジの軒下で雨宿りをさせていただく。他に先行していた2組も雨宿り中であった。ご夫婦の方は雨の様子を見て登り始めましたが、小学生を連れた親子はもう帰りますと、1合目までタクシーを呼んでたようで乗り込んで帰っていった…。雨具を着込み、とりあえず3合目までを目指す。道はゲレンデを直登し高度を稼ぐ。雨で露出した登山道はさらに滑る…。先に出発したご夫婦もかなり登り喘いでいるご様子。途中で追い越して2合目へと向かう。ゲレンデからいったん茂みに入り進んでいくと2合目。茂みの中では雨をそんな感じないが、また再びゲレンデに出ると雨風が強く直撃してくる。
ロープウェイの終着駅を過ぎると3合目に到着。トイレの軒下には団体の方が雨宿りがてらの休憩していたが、自分たちの到着の後に上を目指して出発していった。トイレの裏手が雨風を遮れそうなので、ザックを降ろして休憩し様子をうかがう。この先の6合目にあるだろう避難小屋までは何とか見通せるが、山頂付近などはガスで全く見えず…。ジッとしてると汗で濡れた身体には凍えるように寒くなる。下山されてきた方もいたのでこの先の状況を伺うと、もちろん展望はなし、雨と強風でかなり寒かったとのこと。これからの行動についてどうしようか悩んだ…。いっこうに止まない雨だし、今後さらに崩れるとの予報だったし。せっかく遠くまで来たんだから体力もまだまだ残っているんだし頂上に立ちたい。しかし娘がいる…。下山者からの話にもあったように今以上に寒くなるだろうし、もし万が一娘に何かがあってからでは遅い。
やはり自分だけはここから娘と下山することにする。雨が止まない中、先程のご夫婦が出発!ここから先の道は山川君にリーダーを任せて、メンバー3人の出発を娘と残って見送る。あぁ〜羨まじいぃ!3人の姿が見えなくなってからピストン下山。下りでは滑りやすい道に悪戦苦闘!草の上を歩いても石に足乗せても滑る滑る…。ゲレンデで3回ほど尻モチをして1合目のロッジが見えてきたと思った次の時、滑ってグキッと左足首を捻ってしまった…。立ち上がっても激痛でしばらく動けず。ゆっくり足を引きずりながら跛し1合目のロッジに取り付く。娘を降ろし、靴を脱ぐにもひと苦労!足首は赤くパンパンに腫れてるが折れてはなさそう。軒下で雨宿りがてら腰を下ろして娘に離乳食など食べさせる。山川君からのメールがあり避難小屋に着いて軽食中だとか…。途中、上からゾクゾクと車が林道を降りてくる…。下山者達だ!林道立入禁止って書いてあったけど、3合目まで車で行っても良かったのね…ガックリ!
1合目からの下りは登山道を使わず、アスファルトの長い林道を歩く。捻挫した左足首が痛むけど、ストックを松葉杖のように利用すれば幾分か楽〜♪林道を歩いていても後ろから続々と車が通り過ぎていく。山川君達には下で待ってると言っておいたけど、自分のように滑って怪我しないよう駐車場に着いたら3合目まで迎えに行ってあげよう♪娘はお腹いっぱいになったのか、ザックの中でおとなしく熟睡中〜♪
休止しているロープウェイ乗り場を通過して13時頃に駐車場に到着!しばらく神社周辺を散策したのち濡れた衣服を着替え、今歩き下りてきた林道を車で走らす♪時々下りてくる対向車にドキッとする。狭い林道で擦れ違うのは至難の業♪先程まで休憩していたロッジの前を通過し3合目までぇ〜〜!14時に3合目手前の駐車場?広場に到着♪車止めゲート手前に5〜6台の車がまだ停車してあった。ここから歩いてもものの2分ほどでさっきまで雨宿りしていた3合目のトイレである!実に呆気ない。今日の山行はいったい何だったんだろう…怪我までして。雨は降り続いているものの山頂のガスは消え、山容がハッキリと見えている。山肌をつたって下りてくる登山者の雨具がカラフルで小さく見える!足首の捻挫さえなければ、もう一度娘を担いで小屋辺りまででもお迎えに登りたいのだが、傘を差しながら娘と3合目周辺をお散歩♪雨が強くなってきたら車に戻って缶ビールを飲んで待つの繰り返し♪16時半頃、3人の降りてきた姿が見えたので3合目でお出迎え〜♪ご苦労様でしたぁ!
さすが3人とも自分の足で下りたくないようで、着替えてからさっと車に乗り込む。途中、カモシカにも遭遇するし、1合目を通過した場所では鹿と親子イノシシの大群にも出会うし、林道はまさにサファリパークのようでしたョ!下山後はすぐ近くの施設、伊吹薬草の里文化センター(ジョイいぶき)で汗を流す。自分だけ伊吹山の山頂に立てなかったのがすごく悔しい…!いつの日か天気の良いときにリベンジしたいと思います♪名古屋の出張帰りにでも、もしくは雪山の時もいいかもぉ〜☆
↓ 3合目からについては山川君のレポートです ↓
「そろそろ新たな日本百名山に登りたい」と言うわけで、身近な伊吹山に行く事に決まったのですが、前日になって、天気予報が曇りのち雨に変化。さて、どうなる事やら…。
当日、増田君家族も行くという事で「雨降るかもしらんのに大丈夫か?」と思いつつ野村さんと久々に合流。滋賀に向けて出発です。高速を降りてコンビニで買い出しの時に曇り空から雨が落ちてくる。雨は昼からの予報だったのでがっかり。駐車場に着いてもまだパラパラ降っている。景色は初めからあきらめていたけど、雨には濡れたくなかったので帰りたくなるが、ここまで来たからには行くしかない。登山口までにある神社には子供会らしき登山の団体?がうるさく騒いでいた。あの子ら一体どうするんやろ。ロープウェイは運行してないので、皆で登山口から登り始める。
木々の中を歩いてる時にはあまり感じなかったが雨は強さを増してきており、一合目に着く頃にはかなり強く降ってきたので、たまらず建物の軒下に駆け込む。ここで休憩後、雨具を着て二合目へ向かう。ゲレンデの直登は土が露出し、雨でぬかるんでいるので滑る滑る。ふと後ろを振り返ると琵琶湖畔の町並みがうっすらと見える。再び茂みに入り二合目を過ぎ、リフトが見える頃にはガスもかかってきて山頂は全く見えない。三合目過ぎのトイレの軒下で休憩がてら天気の回復を待つことにする。かなりの時間休憩していたが、雨は止みそうにない。体も冷えてきたし、今日はここで戻ろうか、とりあえず避難小屋まで行ってみようかなど相談。結果、せっかくここまで来たんだから3人は頂上を目指し、増田君と娘さんはここで戻ることになった。必要な荷物を受け取り、お見送りを受けて歩き始める。
四合目のリフト終点まではゲレンデ直登、右に折れてしばらく歩くとやっと登山道らしくなってきた。後ろの二人はちょっと遅れている。いつもはパワフルな野村さん。半年ぶりの登山なんで調子が出ないのかな?奥さんの方はマイペース。遅れないようにと頑張っているみたい。五合目には他の山には絶対にないであろう自販機、そしてトイレやベンチなどがあった。
あのトイレから約30分、避難小屋に到着〜。中は両脇にベンチがあるフローリングの床の立派な小屋だった。先客も四、五人ほどいた。ぜんぜん疲れてないけど、空腹バリバリだったので軽く食事。雨はまだ降り続いてるので長居してしまった。ここで増田君から連絡が。足を捻挫したらしい。大丈夫かなと少し心配する。
少し元気になった二人を先行させて出発〜。写真を撮ったりしていて遅れて歩き始めた。すぐに追いつけるだろうと思っていたが、ちょっとシャリばて気味で足が重い。道もこの辺りから石がごろごろしてきて歩きにくくなっていた。七合目付近でやっと追いつけた。こんな天気でもかなりの下山する方達とすれ違う。改めて人気のある所だと実感する。祠とテーブル、ベンチのある八合目を過ぎ九合目へ。濡れた岩場を滑らないように通り過ぎる。山頂もなんとなく見えてきた。雨は強くなり風も出てきて展望はほぼ無い。雨でぐちゃぐちゃにぬかるんだ道を抜けてやっと山頂に到着〜です。
山頂で真っ先に感じたのは「建物がいっぱいあるなぁ」です。観光の方や登山の人々が想像以上に沢山いた。とりあえず標柱で写真を撮ろうと行ってみる。三脚を出そうか迷ってる時に、小屋の軒下でこちらを見ているTシャツ七分丈ズボン姿の方が。撮影をお願いし雨の中シャッターを押してもらう。さあ後は食事を何処でしようかな。先程の方に雨風を凌げる所がないかと尋ねてみると「うちにおいでよ」と。この人は山小屋の「えびすや」の方だったのです。早速入らせて頂く。「遠慮しなくてもいいよ」の言葉に甘えて濡れた衣類をハンガーに掛け一息入れる。ストーブもあったので冷えきった体にはありがたい。小屋と言うよりは、食堂+おみやげやさんと言った感じでちょっと違和感。テレビもあったし。写真がたくさん飾ってあり、ほぼ伊吹山での写真だけど、別の一角にはお客さんからもらったという他の山の写真もあった。小屋の方に「今日の気温は10.5℃で、朝からずっとガスっている」とか「三角点はちょっと奥の方にあるよ」など、とても親切にいろいろ教えて頂きました。屋根に当たる雨音がうるさく風も強いのでまるで嵐のよう。一時は完全にガスってホワイトアウト状態。天候が回復しなければ、この中を歩かないとあかんと思うと気が滅入る。食事を終えて、いくぶん暖まったのでお礼の意味と当初の予定もあり皆でソフトクリームを注文する。ん〜でもまた寒くなってきた。ストーブに当たりながら食べる。時間も15時10分になり重い腰をあげ、お礼を言って小屋をあとにする。
雨は降っているけどガスは晴れてきている。お花畑らしき場所を抜けると下の駐車場もかすかに見える。気象観測所の手前の三角点まで行き関ヶ原の方を見ると展望が開けていた。しばし観賞。さあ戻らないと。改めて見てみるとなんて広い山頂なんだろう。これだけの広さは初めてだと思う。日本武尊の像まで戻り、写真を撮っていなかったので、ちょうど外に出ていた「えびすや」さんにまたお願いする。二度目のお礼を言ってお別れする。トイレに立ち寄ろうと歩き出したが、北側の福井方向の山々が見えてきた。本日一番の絶景。晴れていたらもっと見えたかもしれないけど、雲の合間から少しづつ顔を出す山々は幻想的でイイ感じ。湖北の山々もぼんやりと見られた。トイレから出ると「えびすや」さんがこちらに歩いて来た。「遅くまで残ってて良かったねぇ。今日一番いい景色だよ」と声をかけて下さる。三度目のお礼を言って、15時32分下山開始〜。ふと、増田君からのメールに気付く。「三合目まで車で迎えに来てるよ」と。ラッキー。ちょっと楽できるぞっと。受信時刻は1時間半ほど前だったのでかなり待たせている事になる。急いで下りないと。
雨はいつの間にか止んでいて視界良好。登ってきた道もよく見える。三合目も確認。ん〜結構距離あるなぁ。岩場以外は走って下りれそうな感じだが、二人に合わせて普通に歩く。眼下の景色を楽しみつつ1時間ほど歩いて五合目。休憩した方がいいかなと二人を追い抜いてベンチに座っていたが、二人共素通り。あれっ、疲れてないのか〜。まぁ、もうすぐだしね。そこから10分で四合目。振り返ると今日初めての伊吹山の山容。自分らが最後の下山者だし誰にも会わないだろうと思っていたが、二人の登りの方とすれ違った。四合目からは一直線。しばらく歩くと前に人影。おお〜っ、増田君が娘さんを抱っこしつつ、足を痛そうにして歩いて、迎えに来てくれてましたぁ。車まで今日の山行を報告しながら歩く。この時200m程前方のホテル方向から、もの凄く速く駆け抜けていくカモシカを目撃。ちょっとびっくり。
16時52分に車のある場所に到着。するとすぐに雨が落ちて来た。急いで車に乗り込む。朝方休憩した一合目を過ぎると、木が生い茂っていてライトを点けないと暗い林道。ん!?、何か横切った?鹿だぁ。その鹿が向かった方を見ると黒く蠢く物体が。うわぁ、イノシシの大群だ〜。多分、十数頭はいただろう。よくこんな恐ろしい(笑)道を増田君は一人(二人?)で下りたもんだ。温泉に立寄り今日の山行の疲れを癒す。
初めは、伊吹山なんて車で行ける観光の山なんだし、たいしたことないと思ってましたがさすが百名山。すごくいい山でした。当初の予定通り下からてっぺんまで登れたし、一応景色も見れたし、自分的にはちょっぴり満足の山行でした。増田君的にはかなり残念でしたぁ。今度はぜひ晴れた時に登ってみたいなぁ。