鼈甲
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タイマイと言われるウミガメの甲を用いたもの。
肌触りが良く体温になじみやすい。美しい光沢が有るが、吸水性が高く、超音波洗浄器にかけると光沢を失い亀裂する。
飴色になる部分と黒い模様の入った部分がある。飴色の部分は全体の3分の1ほどしかない。また、黒い模様の入った部分は「模様を揃えて張り合わせる」という、難しく根気のいる作業を要する。(この張り合わせとは、厚みを出すために3〜4枚の材料を、接着剤を使わずに、水と熱を利用し、約20トン位のプレスで、押しつけて癒着させることである。)
鼈甲の材料は、その亀が生息していた海によって性質が異なる。また、甲羅と腹甲では、堅さも厚さも違ってくる。そのため、接着面に少しでも油分がつくと、癒着しないか、後で必ず剥離してしまう。この作業時は、特に何度も石鹸で手を洗い、神経を使う。材料を見ながら硬度を想定し、熱した鉄板に水を垂らした時、その瞬間の水の踊り具合や蒸気の上がり具合を見て、温度を決定する。これは永年の勘に頼るしかない。
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セルロイド
「セル」
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硝酸セルロース
弾力性があり、強く、加工性が良く、光沢があるが燃えやすく(約170度で発火)紫外線により、劣化したり変色したりする欠点がある。
比重が1.32〜1.35とプラスチック素材の中では重い。
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アセテート
「アセチ」
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酢酸セルロース(アセチルセルロース)
弾力性があり、セルロイドより、やや劣るが、難燃性で紫外線影響を受けにくい。
比重は1.28〜1.32とセルロイドよりやや軽い。
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*セルロイドもアセテートも化学薬品に比較的強いが、アルカリとアルコールには弱く、特にセルロイドは、整髪料に含まれるアルコールで溶けることがあります。
*セルロイドよりも、アセテートの方が吸収性が多く、湯で加熱すると白濁します。また、変色することがあります。
*セルロイドは、古くなると黄変しひび割れします。
*セルロイドは、樟脳の存在により、素材中の可塑剤が飛散し、劣化の原因になります。
*セルロイドもアセテートもシート状のものを刃物で切削してフレーム等に仕上げる。
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C.P.
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プロピオン酸セルロース
寸法安定性が良く、耐候性に優れているが、セルロイド、アセテートに比べ復元性がやや劣る。主に、モダン、パッドの材料として使用されている。通常、材料を溶融し金型の中で固める射出成形方式を採っている。
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オプチル
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2液混合熱硬化性プラスチック(エポキシ樹脂の一種)の為、弾力性があり、比重が1.1〜1.2で軽い。また、特殊な真空注型方式で製造され、立体感のあるデザインが可能です。
耐薬品性はセルロース系プラスチックよりも高い。
レンズ入れ性は、熱可塑性プラスチックに比べて入れにくい。
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洋白
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比重 8.78
化学成分 Cu 64% , Ni 18% , Zn 18%
加工性が良く、ロー接性も良好であるが、耐食性が劣る。
しかし、貴金属メッキ後の耐食性は銅合金の中では非常によい。
使用条件・期間により、黄変し、使用者の体質により、緑青が出る。(世界的眼鏡用素材と言えば、洋白がトップにあげられる)
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真鍮
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比重 8.73
化学成分 Cu 65% , Zn 35%
フレーム材料としての強度はあまり高くなく、耐食性も高くないことより、あまり使われていない。
量産型の安価なサングラスなどに用いられる。
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ブロンズ
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化学成分 Cu 85% , Zn 15%
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ベリリウム銅
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化学成分 Cu 98% , Be 2%
バネ性に優れ、弾性材料としてテンプルなどに用いられる。
反面、非常に硬く、加工性に劣り、また、熱伝導率が良すぎてロー付が難しい。そのため、最近の利用法としては、婦人フレームの異形智のロストワックス(精密鋳造)部品の材料として多く使われている。その場合、加工後、300度前後の温度で、加熱すると時効硬化し、大きな強度を得ることが出来る。
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時効硬化とは
熱処理をすることにより、硬くすることであり(俗に言う「焼き入れ」)、
硬くなることによってバネ性を出す処理である。
素材によって温度は違うが、設定温度から、水・油・空気などによって急冷してやる。
逆に、自然冷却すると、「なまる」(柔らかくなる)ことになる。(焼きなまし)
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モネル
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比重 8.8
化学成分 Ni 67% , Cu 30% , Fe 2% , Mn 1% , Si 他
酸に対する耐食性に優れているが、バネ性が悪い。
剛性と曲げ特性(リム成型性)がよいことにより、リムの材料として最適とされている。
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洋白、真鍮、ベリリウム銅、モネル
これらの金属を、無垢材の状態で使用することは非常に少なく、
必ずメッキ処理(加工)が必要になる。
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ニッケルクロム合金
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比重 8.5〜8.67
化学成分 Ni 83% 以上, Cr 10% 以上
「ハイニッケル合金」「新合金」とも呼ばれる、日本独特の眼鏡用材料である。耐食性に優れた特性を持ち、歯科用銀歯の材料として長く使われている。この耐食性は無垢の状態で使用しても非常に良い。反面、硬く加工性はあまり良くない。
SPM,PZT,STP,YNCなどの商品がある。
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コバルト合金
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コバルト合金とは、コバルト・クロム・ニッケル・その他からなる非常に多元素の合金で、鉄や銅を殆ど含んでおらず、錆びたり、変色したり、腐食したりすることが少ない。また、弾力性に優れ、細いフレームが可能。その反面、一般素材と比べ、素材プレス・切削・ロー付などの加工性が悪い。表面処理技術については、最近では、問題ない状況になっている。
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ステンレス
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比重 8.0
化学成分 Ni 8% , Cr 18% , Fe 74%
安価な耐食材として、ネジ・テンプルなど、構造物などに耐食材料として広く利用されている。
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純チタン
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比重 4.54
化学成分 Ti>99%
JIS 1種〜3種(不純物ガスの添加量で分けられる)
軽さと優れた耐食性と強度を持つ金属。
αチタンとも呼ばれる。
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チタン合金
(各種合金については
後述しています)
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チタンロー付の際、熱影響による、ロー付部周辺の組織変態、金属疲労が集中することに依るリム切れを解消するために開発された。
チタン合金は純チタンに異種金属元素を添加することで作られ、ベータチタン・アルファベータチタン・NT合金などがある。
リム切れ防止チタンとしては、アルファベータチタンか主流だと考えられます。
アルファベータチタンがチクニロー材によるリム切れに対応出来る理由としては、アルファベータ組織が加熱に対して強度低下が少ないためです。
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チタンは、885度までは、アルファ相の稠密六方構造です。この温度以上では、体心立方構造に変態する。これをベータ相と呼びます。このベータ相で安定化されたチタン合金をベータチタンと読んでいます。
アルファあるいはベータ相のどちらにも分類できないチタン合金をアルファベータチタンと呼びます。
アルファベータチタン・・Al 3% , V 2.5% , チタン残量
タイベック、325チタンの名称で商品化されている。
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βチタン
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比重 4.8
化学成分 Ti 74% , V 22% , Al 4%
現在、主としてリム・テンプルバネ材として利用している。
従来のチタン材に比べ、熱に対する強度とバネ性があり、また、加工性に優れている。チタン系の中で唯一、時効硬化できる材料である。
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αβチタン
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比重 4.6
化学成分 Ti 残 , V 2.5% , Al 3%
純チタンと比較して、加熱による強度低下が少ない。しかし、加工性は悪く、プレス加工には適さない。線引きは可能なため、リム線として利用されている。局部的な『なまり』が発生せず、リム切れのクレームが大幅に減少した。
ただし、リムに使用する際、熱処理の方法が重要なポイントとなる。
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NT合金
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比重 6.7
化学成分 Ti 50% , Ni 50%
形状記憶合金として有名である。
また、約8%の変形を加えても、力を除去すると、元に戻るゴムのような超弾性の性質もある。
若干の合金比率を変えることでこれらの性質を調整している。
その他にも、異種金属元素を加えることによって、形状記憶の温度設定を変えることが出来る。
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チタンクラッド材
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芯材にチタンを使い、ニッケルまたはニッケルクロムを100ミクロン〜130ミクロン程、張り合わせた複合材であり、ロー付の簡素化などを目的に開発された。
一般的にテンプル・リムに使用され、多の部品は洋白・モネル・新合金を利用したものが多い。
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アルミニウム合金
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比重 2.7
化学成分 Al 残 , Cu 0.1% , Mg 0.4% , Si 0.5% , Mn 0.2% , Zn
0.2%
強度の大きい軽合金。軽量で工作容易な点が特徴。
アルミはチタンと比べ、比重が60%程度軽く、構造母材として広く使われている。
アルミと呼ばれるものは、ほとんどが他の金属との合金であり、いろいろな性質を持っている。
たとえば、「ジュラルミン」などは最も馴染みの有るものである。
アルミ合金は「アルマイト」処理を施すことにより、表面に長所(耐食性・対摩耗性など)を生み出し、また、装飾性にもカラフルな色合いを醸し出すことが出来るため、ファッション商品にも広く使われている。
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ジュラルミン
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化学成分 Al 95% , Cu 4% , Si ,Fe , Mn , Mg , Zn
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マグネシウム合金
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比重 1.74
化学成分 Mg 96% , Al 3% , Zn 1%
強度の大きい軽合金であり、そのほとんどは、他の金属との合金である。
やや粘硬な銀白色の軽金属であり、主要鉱物はマグネサイト。海水中には、ナトリウムに次いで、多量に存在する。電解法によって生産。酸に溶けやすく、水素を発生して塩類を作る。
現在、マグネシウムは、インジェクションで可能になっており、弱電業界などで注目を集めている。製品としては、携帯電話のケース・パソコンのボディなど。
部品の軽量化と資源の再利用を目的として使われている。
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K24
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比重 19.287
純金は、化学的に全ての金属中、最も安定した金属で、大気及び水中では永久に変色しない。全ての強酸や塩に単独では侵されないが、王水(塩酸3・硝酸1)や特定の薬品によって侵されることがある。
純金は柔らかいので、そのまま使用することは少なく、銅、銀、ニッケル、パラジウムなどと合金にして使用する。この混合比により、色調・硬度が変わり、加工性・耐食性も大きく変化する。
(K24が純金であり、K18は 75% の成分が金である)
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K18
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比重 15.5
K24が純金であり、K18は75%が金です。
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貴金属・・K18(比重 15.5)
シブロク(4/6)・・Au 75% , Ag 10% , Cu
15%
ゴブゴブ(5/5)・・Au 75% , Ag 12.5% , Cu
12.5%
K14(比重 13.1)・・Au 58.3% , Ag 8% , Cu
29.7% , Zn 4%
Pt 900(比重 20.8)・・Pt 90% , Pd 10%
スターリングシルバー・・Ag 92.5% , Cu 7.5%
K18W・・・・・・・Au 75.5% , Pd 15% , Zn 3%
, Ni 6.85%
K14W・・・・・・・Au 58.5% , Cu 23.4% , Ni
12.2% , Zn 5.9%
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金張材
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多の金属に金合金の薄い板を張る技術
金張材が使われる目的は、貴金属だけでは高価になるので、必要な部分だけ貴金属を使って、安価にすることと、貴金属の合金だけでは、強度・バネ性などを満たすことが出来ないため、多の素材をベースにすることで、機能面を向上させることにある。
金張される素材は、洋白・モネル・チタンなどが使用される。
冶金的に作られた金合金は、電気的に金属イオンを金属の表面に析出させただけの金メッキに比べて素材金属と金合金の融合性(素材金属とメッキ金属の融合性)が非常に優れている。
また、厚さにおいても、金メッキは1ミクロン程度、金張は10〜20ミクロン程度であり、素材のカバー力では、金張は数段上質です。
表示方法としては、1/20 12KGFなどです。
1/20
は、素材重量に対する金合金の比率で、12Kは金合金中の純金の割合です。
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