岩手山(2038.2M)

2008.8.8 晴れ 5名

登山口(7:05)…溶岩流見学…噴出口(8:45)…平笠不動避難小屋(11:10)…頂上(12:00)…(12:50)お鉢巡り(13:30)…
避難小屋(14:10)…ツルハシノ分かれ(14:52)…登山口(16:30)             (休憩時間を含みます)
今回の旅行のメインはこの岩手山登山。
どこからでも長く裾をひいた美しい姿を見せて、さすが南部富士とか岩手富士とか言われていると言うのがうなずける。
前夜の宿・松川荘では朝早くに食事とお弁当を用意して下さり、少しでも涼しいうちに出かけられて嬉しい。
焼走り国際交流村を目指して車を走らせ、何とか駐車場に着くと何台か停まっていて登山客らしい人が準備などしている。青空の下、山はドカンと大きな山容で私を威圧しているかのように見える。今回は約300年前の噴火で流れ出た溶岩流に沿った林(写真左奥)からスタート、標高差約1.500Mのコースです。7時過ぎに出発、15分も歩くと左手に溶岩流を眺められる所があるのでちょっと登って見ると、黒い軽い溶岩がずっと山腹を下っています。これが赤くどろどろと流れ出ていたと思うと、怖いものがあります。300年経っても何も生えて来れないのです。
元の登山道に戻ると、緩やかに広く歩きやすくなっていて、自然林がずっと続きます。木の下なので日差しは遮ぎられるのだが、風が全く無くてとにかく暑い!やがて登山道らしくなりそのうち火山砂礫が混じり歩きにくくなってきます。

焼走りキャンプ場の近くの駐車場から

幅1.5K長さ3〜4Kにわたって続く溶岩流

噴出口跡

火山砂礫の斜面にはコマクサとイワブクロが
長い樹林帯の道を過ぎると第二、第一噴出口跡に出て視界も開け、昨日の八幡平方面から姫神山、早池峰山などと麓の町や村まですべて眺められます。やがて両側ロープで仕切られた砂礫の登山道になると、道の両側に可愛いコマクサが〜
ちょっと遅めだったかもしれないけど数は多く、独特のブルーがかった葉にピンクの花をつけて待っていてくれました。
今まで見た山ではガラガラとした石の間にコマクサだけ生えているのを見ていたので、ここのように他の植物と一緒なのは初めてです。高度的に1.200〜1.500Mくらいの低い場所なので、実際どうなのでしょう。初めは火山礫ばかりでコマクサくらいしか育たなかったのに、他の植物が育つ環境になって来たのか、それとも? 背の低い潅木、オヤマソバ、ミヤマウスユキソウ、イワブクロなどに混じって点々とずっと続いてあるのですが、小さくてうまく写真に入りません。ツルハシノワカレは5合目、ここからはまた樹木帯の急登を行きます。しばらくはダケカンバが柔らかい木の肌を見せています。どんどん遅れて、やはり夏に弱いYちゃん、少し風を感じられる木の下で大休止をしてもらいました。水場も雪渓も無い・・・いくら首を冷やしてもぬるくなってしまう(-_-)

コマクサ

ミネウスユキソウ

平笠不動避難小屋少し手前から

頂上(薬師岳)
休んで体が冷えたのか少し元気が出て歩き出すと視界が開け、岩手山の頂上がどかんと姿を見せて、ここまではまだまだだよと言ってるような・・・。避難小屋の後ろに大きな岩がそびえて立っています。前後していた男性達が小屋で休んでいましたが、私はそのまま登る事に。このあたりはいろいろな高山植物が咲いていて、イワギキョウ・ハクサンチドリ・ヨツバシオガマ・ミヤマハンショウヅル・オトギリソウ等がありました。上に近づくに連れて、足元は急で歩きにくくなりますが、又イワブクロやコマクサが現れて楽しませてくれます。やっと頂上手前の分岐に出ると、景色は一転して妙高山を中心にぐるりと内輪山と言った様子で、赤い土の荒れた岩肌の所などここは火山だと改めて感じます。少し上が頂上のようで、先に着いた3人が手を振ってくれています。
さすが夏休み中とあって家族連れも多く、いろんな登り口があるので上は賑わっています。焼走りからは少なかったですが。待ってもらっていた昼食を食べて記念写真を撮ったらお鉢巡りの開始です。この山はコニーデ型火山の中でも複雑な地形の活火山だそうで、火山性地震のために1998年から全面的に登山規制がしかれていたらしいが、2.004年に全面解禁になったそうです。

真ん中にある妙高山

5人とも元気!

ぐるりとお鉢めぐりに

コマクサと下に屏風尾根

頂上を振り返って

コマクサを覗くと麓まで・・・落ちたら即、下に?

岩手神社奥宮

ぐるりと回って頂上が奥に
眺めの良いお鉢の淵?をコマクサなど見ながら歩いていると、視線の下は即裾野の樹林帯なのです。
途中神社が見えたので降りてみると、ここは岩手神社奥宮、何か祈ったあと又お鉢の淵に上がり帰りの分岐の地点まで巡り、よ〜く眺めて下山開始となったのです。
登りがつらかった最後の急登も降りるのは速い、あっという間に小屋に到着。振り返ると、中心の風景とは想像もつかない綺麗な円錐形のお姿、なかなか福井からは来れない山なので見納めかもしれない。帰路も長い・・・、両側コマクサの砂礫の道はズルズルと滑り、降りる時はこれがなかなか大変で、こんなに長かったかしらと思うほど汗をかきながら降りました。
樹林帯に入ってもしばらくは滑りやすく、思った以上に時間がかかる下山でした。もう大分下に来ただろうと思うと、ここから2.2Kと言う標識にえ〜!と言う感じ。所々コオニユりがあまり日の差さない木の下にぽつんと咲いていて、まるでササユリのような寂しげな姿とその赤い色との違いが面白く感じられました。

頂上付近のコマクサ

イワブクロ

ツルハシノ分レ

自然林の中を
3時間ほどかかって駐車場に到着。
登りではリーダーにはずっと付いて貰ってお世話をかけました。ある温度の高さ・湿度の高さで私は弱さが出てしまう。
優しいJちゃんは15分ほど遅れただけだよと慰めてくれる。早く歩けばえらいと言うものではないが、普通になりたい!
今日は下界も暑い日だったそうで、沢山水分をとりましたがもっと冷たいものが欲しい。車からお店は無いかお店は・・・と探し、やっと見つけた小さなお酒屋さんみたいな所で100円のカキ氷のカップを買いお腹の中を冷やしてホッ!
今夜の宿は又、八幡平に向かい秋田県側に降りて行き、大沼の手前の八幡平高原ホテルに泊まります。
ここの売りは山の恵みと地場産品を使ったデトックス料理と鉄分豊富なかけ流し温泉だそうです。
もう汗だくの身には何でもいい、早く汗を流したい!
自分で作らなくていいのなら何でもいい食べる!
お布団まで敷いて貰えるならどこでも寝る!
と言った心境なのです。これが主婦の喜びの非日常、可愛いものではないですか?
明日は最後の秋田駒ヶ岳、お天気が持ちますように。

登山道脇の斜面に見える溶岩

  三日目