願 慶 寺 案 内坂井郡金津町吉崎1−302電話0776−75ー1956
願慶寺:この寺は文明三年(1471)蓮如の弟子の裕念を開基とする吉崎の旧跡です。
江戸時代に戯曲化され、文楽にも残されている「嫁威し」の伝説は、細呂木の坂口にある谷が舞台となりました。
伝説では蓮如に帰依し吉崎参りに出かける夫婦をねたんだ姑が鬼の面をかぶり夜道に待ち伏せをして嫁を驚かそうとしました。嫁は驚かずがっかりした姑が面をはずそうとしますが、はずれません。姑が蓮如の教化を受け悔い改めると、ようやく面がはずれました。
この姑がかぶったといわれる伝説の面が願慶寺に残されています。
また、この寺には蓮如が麦を筆にして書いたといわれる「御筆草の名号」があります。
これには次のような話が伝わっています。蓮如が吉崎に移ってまもないころ、本堂に掛ける六字名号を書こうとしましたが、ちょうどよい筆がなくて困っていました。それを法座の席で聞いた浜坂浦の漁師が麦の根を掘りおこし洗って束ねたものを蓮如に差し出し、喜んだ蓮如がそれで名号を書いたというのです。
このほか、蓮如が吉崎の門徒に与えたという「方便法身立像」や蓮如筆の六字、九字、10字名号、親鸞筆の九字、十字名号、蓮如の次女見玉尼筆の「三部妙典」など、数多くのゆかりの品が納められています。