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関数の導入ではトンチ問題で熱中させる



橋本芳治(向山型算数・数学を目指す会)

 中学校1年生「比例と反比例」(『楽しさ広がる数学1』啓林館)の1時間目、関数の導入である。
 移行用の補助教材8、9ページを扱った後、関数のトンチ問題を出す。生徒は楽しんで考えながら関数を理解していく。
 数学が苦手な生徒の抵抗感を減らすために、ここでは「χ」「y」を使わずに、「入力」「出力」「働き」という言葉を使う。


1 「入力」、「出力」、「働き」をイメージさせる

働きの「自動販売機」を隠して問う。

発問 「120円」を入れると「ジュース」が出てきました。働きは何でしょう。

(生徒:自動販売機です。)「正解」

出力の「汗」を隠して問う。

発問 「水」を入れます。働きは「人間の体」です。何が出てくるでしょう。

(生徒:汗です。)「正解」

働きの「3倍する」を隠して問う。

発問 「1」を入れると「3」、「2」を入れると「6」が出てきました。働きは何でしょう。

(生徒:3倍です。)「そう、3倍するです」


2 「入力」、「出力」を表にする
「わかりやすく表にします。」

入力 10 11 12
出力

このような表を黒板に描いておくと良い。出力だけ書き換えていけば楽である。

入力 10 11 12
出力 10 15 20 25

「1」を入れると「5」が出てきます。出力を一つずつ書いていく。

発問 働きは何でしょう。

「2」を入れると「10」が出てきます。
(生徒:5倍するです。)「正解」。入力「2」で正解するであろう。念のため、入力「5」まで書いて確認する。

時間があれば、この後「1をたす」、「6をひく」、「2乗する」等を出題する。

3 トンチ問題を出す

ここからは、トンチ問題です。

指示 わかっても、正解は言わないでください。わからない人が楽しめなくなります。これは、わからないのが楽しい問題でもあるのです。

生徒の反応を見ながら、出力を一つずつ書いていく。時にはじらしながらやると、生徒の熱中度は増す。

入力 10 11 12
出力

発問 働きは何でしょう。

(生徒:わかった。)「正解は言わないでよ」
わかった生徒に出力を言わせると良い。
「○○君、5を入れると何が出ますか」(生徒:Fです)「そうだよね。わかっています」
出力を間違えた生徒には、「○○君、違ったようですね」

生徒の様子を見て、正解を確認する。(生徒:入力を英語にしたときの1文字目です。)


4 トンチ問題の例
トンチ問題の例を紹介する。(時間がある方は、下の答え見ないで挑戦してください。)
生徒に出題するときは、時にはじらしながら出力を一つずつ書いていく。

(1)

入力 10 11 12
出力

(2)

入力 10 11 12
出力 31 28 31 30 31 30 31 31 30 31 30 31

 *生徒に出題するときは、入力「2」の場合はとばす。最後に、「2」を入れると普通だったら「28」が出てくるを扱う。

(3)

入力 10 11 12
出力

(4)

入力 10 11 12 13 14 15 16 17 18
出力

 *その気があって順調にいけば、「19」を入れると「1」、「20」を入れると「2」、「21」を入れると「3」、「22」を入れると「4」が出てくる。
(5)

入力 10 11 12
出力
 *これはかなり難しいので、「13」以上の数を入力した場合も付け足していくとよい。

5 トンチ問題の答え
答え (1) 入力の月を英語にしたときの1文字目
    (2) 入力の月の日数(「2」を入れると「28」か「29」が出てくるので、厳密にいうと関数ではない)
   (3) 入力を漢字で書いたときの画数
    (4) 入力の年齢のときの学年
    (5) 入力の約数の個数

これ以外にも様々なトンチ問題が考えられる。生徒に考えさせても面白い。私の学級(11人学級)では次のような問題を考えた。

入力 10 11 12
出力

答は、私の学級の生徒でないとわからない。その出席番号の生徒の名字の1文字目である。

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