はじめに

講義の受け方

1)集中すること

 そのためには睡眠を十分にとって体調を整える。生活の中でのつまらぬことを気にかけて心をいらいらさせない。

2)授業の波に乗る

 授業には波がある。この「波」とは重要なところとあまり重要でないところが混ざりながら進んでいくことをいう。重要なところでは全力を注ぎ重要でないところでは力を抜く、というように授業の波にうまく乗って勉強することが大切である。

3)積極的になること

 授業を受け身で聴いていたのでは力にならない。やる気を出して臨まなければいけない。できれば質問をする。質問しようと思えば自然に注意が集中する。

4)発言力を養う

 自分は口下手だとか発表力がないなどと卑下しないようにする。誠意のある話し方であれば十分に人には訴える力を持つものである。教室で発言しないのは他の人より劣っているとみられるのを恐れるためである。先生が自分をどう思うか、友人が自分をどう思うか、といった不安のためについ口がこわばってしまう。発言力を付けるには

@普段からよく勉強する。

A学年学期の始めに発言してしまう。この時期に思い切って発言し始めるとその後は楽に話せる。

B質問にはできるだけ答える。すぐ「わかりません」と言わないで自分の知っていること考えていることをはっきり答えるようにする。

C順番を活かす。先生が順番に指名することがあるが、この機会も発言力を養うのに役立つ。

D自信を持つ。

講義の進め方

1)まず教科書を出席番号の順番にマイクを通して音読してもらいます。この時は用語や記号の読み方に注意しながら集中して聴いてください。音読に当たった人はせっかくマイクを持っているのだから疑問点などを発言してもらってもかまいません。(余談:文章を読む時は目的や難易度によって速さが変わる。楽しみに週刊誌や友達のメールを読む場合は速く読んでも必要な意味は理解できる。一方、何かを学ぶために今まで知らなかった内容を読む場合はじっくり読まないとなかなか理解できない。音読は最も確実な読書法だと思う。説明を聴いて知らなかった単語を理解できるようになれば、より速く読めるようになる。)

2)次に教科書の図の説明をします。この時は多少難しくても深刻にならずにリラックスして気を楽にして図を眺めていてください。内容はプリントに書いてあります。

3)10分ぐらい早く講義終了して教室にとどまりますので質問があればこの時間にしてください。

4)7回の講義で生化学の森を歩いて行くわけですが、途中でどこを歩いているのか迷うこともあります。そんな時にも不安にならずに見える景色を楽しみながら着実に歩き続けてください。目的地に着いてから後ろを振り返ると生化学の全景が見渡せると思います。

生化学について

生化学の内容は高校での化学や生物とかなり重複しますが、高校の時化学や生物を選択していない場合でも理解できるようにこの講義ノートを作成しました。化学に関しては第一回講義の時間を丸々当てて学びます。生物は第二回から第七回の講義のそれぞれの冒頭で復習します。

生化学は多くの研究者の長年にわたる涙と汗の結晶です。教科書を読んでそのすべてを理解できなくてもひとまず気にしないでください。全体の流れをつかんで大きなことから理解していくことが大事です。最後まで細かいことは後でじわりとわかってきますので、とにかくまずは多少わからなくてもくじけずに生化学の雰囲気を味わいながら進んでください。

誰でも実感しているようにどの授業科目でも徹底的に突っ込んで勉強する時間がないと思います。幸いにして現在はネット検索が手軽にできるようになっています。講義で興味ができたところは調べてみてください。

当面の目標は@国家試験問題が解けるようになること、A将来臨床の現場に出た時に役立つ生化学的素養を身につけることです。化学式は国家試験には出ませんが生化学の理解のためにはたいへん役立ちますのでぜひ化学式に親しむようにしてください。