白山(2.702.2M)〜加賀禅定道
2009.8.20(晴れ)〜21(霧のち雨) 2名 

1日目  福井(5:20)…一里野…別当出合(8:45)…甚ノ助避難小屋(10:35)…(11:20)南竜ヶ馬場(12:20)…
      アルプス展望台(13:10)…室堂(14:10)…御前峰頂上(14:55)…お池めぐり…室堂(16:00)
2日目  室堂(5:35)…七倉の辻(7:00)…四塚山(7:20)…天池(9:20)…百四丈滝展望台(9:50)…美女坂の頭(10:10)
      (9:50)奥長倉避難小屋(11:42)…しかり場分岐(1:10)…緑の谷峠(13:22)…登山口(14:10)
                                                   (休憩時間を含みます)
あわただしいお盆が過ぎ、夏休みも終わりに近づき山も静かになっただろうと、以前から計画のあったJちゃんご希望の加賀禅定道に出掛けてきた。車を一台一里野に回す必要があり、一人ではなかなか実現しなかったらしいが、これが「うん!行くよっ!」と簡単に答えられない私の体力が問題なのである。
どんどん食べて永遠に歩き続けそうなJちゃんと違い、疲れると食べられなくなり、重いザックもかつげない暑さに弱いYちゃん・・・何と言っても「雪姫様」なのです。近年足だけは丈夫になったような気がするが、早く歩けないから時間もかかる。
一泊だから何とか迷惑かけずに歩けるだろうと決心!
天気予報は変わり、今日は晴れだが明日はあやしい(-_-;)
一里野スキー場に入り右手に進み舗装された林道を進み、登山道の前の広い場所に車を一台デポ。以前6月の始めに来たときはタニウツギ街道だったのが今はススキが伸びて穂をつけ始めている。ほとんど舗装されているので普通車でも問題ないが相変わらず落石が多いので要注意です。急いで今度は別当出合に向かいます。いわき市から観光バスでいらした団体さんの前に出るべく急いでスタート。

さあ、スタート!

甚ノ助避難小屋の前で休む子供たち

ハクサントリカブト

別山 7月の終わりに歩いた稜線が・・・

南竜の山荘が見えてきました
予想通り登山者の数は落ち着いて来た様で、楽です。
何度来ても砂防新道は分岐まではただ歩くだけで楽しみが少ない。甚ノ助避難小屋のベンチでは大阪体育大学の学生?に連れられた子供たちが休んでいました。私たちも少し休み、南竜に向かいます。こちらのコースに入ると登山者は極端に減ります。
真夏のお花達は終わり、トリカブト、シシウド、ハクサンフウロ、カライトソウ、アキノキリンソウ、オタカラコウ、イブキトラノオ等がまだ残っています。南竜の山荘の前で休んでいる登山者はいますが、誰も来ないので展望コースへの分岐の木道の上で休憩。
のんびりと食事をして、木道の上に横になってお昼ね。
泊まると思うと気分はらくちん♪
ここはいつ来ても湿原とオオシラビソと静かな山々に囲まれて別天地だと思う。木道を進んでいくとここもチングルマやイワイチョウ、クロユリ等の面影があり、きっと素晴らしかったことでしょう。
木道の脇にはもうオヤマノリンドウが蕾を膨らませています。柳谷を越えて高度を上げて行き、振り返ると別山の姿も現れてきます。

    空が青い!

展望歩道

南竜ヶ馬場を振り返って

斜面はお花畑 奥に三方崩山

平瀬道側 白水湖が見えます
私はこのコースは下った事はあるが登るのは初めて。
それにしても誰にも会わない。鈴を鳴らしながら斜面のお花を見ながら歩いていくと、やはり時間的に雲が上がってきてアルプス方面は残念ながら雲の下。展望台に着くとわずかに御嶽山と乗鞍岳の頭が確認できる程度。ここでやっと下山者に出会いました。結局室堂に着くまでに会った人は3名だけ。
今年はどこを見てもニッコウキスゲとコバイケイソウの名残りがすごくてまだ残って咲いている所もあります。
平瀬道との分岐が近づくと道はなだらかになり、広々とした中を室堂の赤い屋根を目指して歩きます。
オンタデの群生が目立ち、その中にハクサンフウロやミヤマリンドウが色を添えています。特に濃い赤がかったタデは普段脇役的なのに目だって綺麗です。これは実が赤くなりかけたものらしいです。2時過ぎに室堂センター前に到着、まだ時間が充分あるのでザックをベンチにおいて身軽になり、御前峰〜お池めぐりに出掛けることにしました。頂上目指すのは何年ぶり・・・?人の少ない大汝とか四つ塚方面につい行ってしまうのです。
登山道はますます綺麗に整備された様子、イワギキョウとイワツメクサが続きます。頂上からはもっとアルプス方面など見えるはずが、雲でかなわず。

アルプス展望台

御前峰が見えてきました

ハイマツ地帯

お参りして〜

頂上から

白山神社奥宮

御宝庫を経てまず紺屋ヶ池に

剣ヶ峰(2.677M)
2人の記念写真を撮ってもらいお池巡りに降りていきます。こちら側は白山が火山であったことを物語る風景、下に降りると賽の川原のように小さな岩を積んであります。
今年の6月の中旬に大汝峰に来たときは、翠ヶ池はほとんど残雪に覆われていたのが、今は全く雪は無し。
油ヶ池、血の池を通り千蛇ヶ池に来ると、ここは万年雪に覆われているが6月の時から見たら何メートル溶けたことだろう。この辺りは少しチングルマの花が残っています。
涼しくなってきて、登山者もほとんどいない。さあ室堂に戻りお部屋に案内してもらいましょう。
今日は混んでいなくてゆっくり寝れそう(^・^)
食堂で夕飯をいただいていると、別山が夕日を浴びた姿を現し、オレンジ色の太陽が少しずつ雲の間から高度を下げていくのが見える。近年は日帰りのみで、ゆっくりするのは久しぶり。
掲示板を見ると明日はやはり霧に雨、雷と出ている。
部屋に戻ってお隣のグループの方とお話する。埼玉県から高速バスで金沢まで来て、タクシーで別当まで来たそうな。100名山をかなり登り尽くしていそうな話しぶり…それだけ出かけられるとは羨ましい方々だ!

大汝峰(2.634M)と翠ヶ池

千蛇ヶ池

夕日をあびた別山

落日
 2日目
やはり冷え込まなかったので濃いガスの中の出発となった。雨具上下を着用してとにかく四塚山まで行って見ようと歩き出した。Jちゃんの背中がどうしようか〜引き返すか〜と考えているのがわかる。風は強く何も見えないが、まだ雨は混じっていない。
1時間半ほどで七倉の辻に着いたので、四塚の上り口にある風の来ない鞍部で軽く行動食で朝御飯とした。
四塚山の頂上は広く沢山のチングルマの実の綿毛で覆われている。霧で濡れぼそってもそのピンクっぽい姿はとても可愛い。さあ!どうする!ここからは下りだ。天気予報を信じて雨はきっと樹林帯に入った頃になるだろうと決行する事にした。
ここから私は奥長倉山までは初めての道、Jちゃんも百四丈の滝の展望台まで。晴れていれば長い尾添尾根が見えるはずなのに残念!ハイマツの中を下るのだが、足元は低いチシマ笹に隠れて根っこや岩が出ていても隠れていて歩きにくい。
風が強くて、背の高いハイマツ帯に入るとほっとする。
本には右手に清浄ヶ原を見ながらとあるが何も見えない。

七倉の辻

四塚山山頂

天池の手前あたり

10日ほど早ければ?

天池

天池室跡
油池に差し掛かる頃からもし全盛期ならどんなにと思われる程のチングルマの群生が道の両脇に広がっている。他にニッコウキスゲも少し残っていて、2人でわ〜!わ〜!と言いながら感激して歩いていると、突然Jちゃんが「来年は絶対にお花の時に来よう」とたたみ込んで来るが、私にしたらまだ長い行程の途中、お産をしたかしないかのうちにもう一人産もうと言われているような感じで返事に窮する。何であんなに元気なんだろう?
他にイワイチョウ、ミヤマダイモンジソウ、イワオトギリ、モミジカラマツ等が混じって、晴れていたらどんなにかと思うと悔しい。
天池の前後がとにかくお花畑の連続なのです。
そのうち木道が出てきて湿原を過ぎると、百四丈の滝の展望台に到着。ただゴーゴーと音だけ聞いて退散。少し雨が混じってきたが、まだ大したことはない。
すぐに美女坂の頭、ここからはこのコースで一番急な下り、40分の我慢なのだが何といっても小さい虫の攻撃に参ってしまう。足元注意なのに目や口にまで入って来ようとする。ど〜んと下って今度は奥長倉山に登り返してから小屋に避難。
今日初めてゆっくりと休む事にした。濡れたものを着替えて熱いスープや煎茶で癒されてほっとした時間を送る。

ずっとずっとお花畑

葉を見るとまだまだ種類が多かったのがわかる…

奥長倉山(1.771M) 登り返しだ!

小屋は綺麗だった
ここまで来ればもうわかっているのでJちゃんも安心顔(^・^)  とにかくこんな天気の性もあるから誰一人として会う事は無い。
ゆったりしたのでさあ出発!ここまで来るとガスは消え少し展望が得られるが、一番見たい上部はまだ濃いガスの中。
大笠山や笈ヶ岳も頭は見えない。
そのうち少し雨が降ってきたので雨具を着てせっせせっせと歩くのだが、長い!それに急な箇所は無いのだがアップダウンが多くて飽きた頃やっとしかり場分岐に着く。
ここからも小さなアップダウンが続き、緑の谷峠・木の実谷・檜倉と標識を見ながら頑張ると登山口に出た!
寂しそうに私たちの車だけぽつんと待っていてくれた。
ここから一里野温泉の登山口までの檜新宮参道はまだ2.5Kあるから大分ショートカットした事になる。私たちが来たコースは加賀新道となっていて室堂から15.5K歩いて来た事になる。18Kと思っていたので助かった(^・^)  さあ別当出合まで車を取りにと走らせていると雨足が強くなり「お〜!セーフ!」助かったあという感じです。今回はJちゃんにすっかりお世話になってしまいましたが、何とか元気に歩けていい経験になりました。毎回自分のペースを崩さなければ長くても歩き続けられると言うことが分かってきて、なんか嬉しいのです。
白峰の総湯に入って帰福。勝山市に下りて来た頃には大雨で白く煙るほど!山の中で無くて良かったです。

小屋から帰る尾根を見て いくつ越えるの?

今回は2日目を撮りたかったのだが霧で全くダメ、パッとしない写真ばかりで寂しい。せめてお花を少しと思うが、相変わらずピントが合っていないのが多かった(-_-;)

ミヤマリンドウ

           

           

ミヤマコウゾリナ

イワツメクサ

アキノキリンソウ

オンタデ

タカネマツムシソウ