白山(お花松原〜大汝峰〜四塚山〜釈迦新道)
   (2.684M)   (2.519M)

2006.8.26〜27 晴れ時々曇り  2名

    

 1日目                                                       (休憩時間含みます)
市ノ瀬(6:20)〜別当出合(6:40)〜(8:35)甚乃助避難小屋(8:53)〜(10:20)室堂(11:10)〜分岐(11:53)〜
(12:51)お花松原(14:08)〜分岐(15:12)〜室堂(16:00)
     
楽しい山の思い出を作らないまま夏が終わってしまう〜
天候は良さそうだし、昨年来のJちゃんとの「白山のもっといい所連れて行ってあげる」と言う約束を実行すべく同行をお願いすると快諾。それではとトレーニングもまだ十分でないけれど、とにかく地図を眺め距離だけ頭に入れて土曜の朝4時半、福井を出発する。Jちゃんここのところ毎週ハードな山行で、私に合わせてもらうのは気の毒だが一人では寂しい・・・から。
市ノ瀬に6時ごろ着くと、もう車が沢山あってバスもどんどん出ている様子、そっかあ〜最後の夏休みの土日なんだ。
私たちは20分発のバス(400円)に乗り別当出合へ。
それでは気を引き締めて頑張りましょう!とスタート。
終日Jちゃんは私の後ろから見守りながらサポートして歩いてくれた。二日間大きなお尻を見続けられていたということか・・・
そのお陰で順調な滑り出しで、甚乃助避難小屋で小休止をして甘いものを補給する。沢山の登山客で追い越されたり追い越したり。2年前の11月の下旬に来て以来、白山は久しぶり。
南竜との分岐からは眺めも良く、別山方面には秋のうろこ雲が、奥越の山々にはまだ入道雲がかかり夏と秋が責めぎ合っている感じ。黒ぼこ岩手前からはお花も増えてまだまだ沢山の種類が残っている。最後の五葉坂はハーハー言いながらやっと室堂に着く。ここまで3時間40分ほどかかってしまったけど、体調は悪くない。写真を撮りながらのマイペースがいいのかな?
小屋の予約は11時からと言うので昼食タイムにする。
おにぎりだけでは喉が詰まるだろうと、お湯を沸かしてもらってインスタントスープを作ったのだが、Jちゃん自分の分丸ごと一口も食べない先に地面に吸わせてしまった。このときのJちゃんのびっくり大声に周りの登山客方を驚かせてしまいましたが、そこは彼女お得意のシモねたで笑わせて男性陣を喜ばせていました。もうビールで喉は潤ってるかも知れないけど、再度違う味のスープを作って差し上げるおとなしいYちゃん。
11時になったので小屋の申し込みをして(一泊7.500円)、雨具やおやつ、飲み物だけ持ってお花松原へいざ!


まだ咲いているニッコウキスゲ、秋の雲との取り合わせは?     室堂センター            大汝峰が近くなる

神社のすぐ上から御前峰に登る道と別れて、私たちは左に。
この辺りもハクサンフウロ、オトギリソウ、コイワカガミ、イブキトラノオ等など残っていて楽しませてくれました。
ハイマツを抜けて岩の赤いペンキをたどりながら高度を上げていくと左手前方に大汝峰が見えてくる。
少し下ると万年雪渓で閉ざされている千蛇ヶ池を通る。雪大好きな私のこと上に載って記念写真はもちろん♪
生憎上部はガスがかかってきているが、御前峰からお池めぐりに降りてくる登山者など見える。こちらに来る人はいない。
1時間ほどで大汝峰の下、中宮道との分岐地点に着く。
私たちはこれからぐ〜んと下らなくてはいけないらしいが、Jちゃんにどの辺りまでと聞くと何かはるか下の方を指差している。
帰り大丈夫かいなと思いながら岩の多い急坂を下る事しばらく、大汝の上から手を振ってくれている人がいた。
こちら側の斜面には雪渓がまだ張り付いている。
急坂の途中大きなカメラを首から下げた登山者に出会い、お花の状態を聞くとまだまだ咲いているとのお返事。
ようし頑張らなくちゃ!6月に買ってまだ足慣らし程度にしかはいてなかった登山靴は全く違和感なく快調でうれしい。

千蛇ヶ池とイワギキョウ

振り返ると剣ヶ峰と御前峰

大汝峰と雪渓

アキノキリンソウ通り

アオノツガザクラの群落

ヒルバオ雪渓
斜度が少し緩くなったところで大きな雪渓が現れる、これがヒルバオ雪渓・・・ふ〜んと感心していると、両側の斜面は一面アオノツガザクラで一杯!こんなに沢山咲いている所を見たのは初めてで、何ともいえない優しいクリーム色に包まれる。そこへJちゃんの大きな声「チングルマだよー」と叫んでいる。
今までは花後の可愛い実しかなかったのが、ここは雪渓の解けた所に沢山白い花をつけて、ハクサンコザクラと混じって可愛い事!雪渓の切れた右側を歩いていたが、下の方で横切って標識の立つ登山道に出る。間違ってそのまま下りそうになってしまう。しばらく行くとそこがお花松原、斜面一面お花で覆われているが、昨年Jちゃんとまー姉さまが来た全盛期にはもっと素晴らしかったらしい。私にはこれでもこの場所に立っているだけでうれしい事、と思いつつじっと見ると何とクロユリ、クロユリ・・・
え〜っ!斜面一面クロユリではないですか。
地味な色合いゆえパッと引き立ちはしないけど、全部私の方をうつむき加減に見ている。今年は大雪でどこも花の時期が遅れたらしいから8月終わりでもまだいろいろ見ることが出来るんですね。

チングルマ

ハクサンコザクラ


Jちゃんにはもう少し先の北弥陀ヶ原まで足を伸ばしてもらう。その間私はゆっくり写真を撮ったり、お昼ねしたりして過す事にした。上部にガスはかかっているが雨はまだ降りそうに無いし、花はいくら見ていても見飽きない。ミヤマキンバイ、コイワカガミ、ミヤマキンポウゲ等など。それにしてもこんなに沢山のクロユリ他にもあるんだろうか?満足の私は「室堂に3キロ」「ゴマ平に7キロ」「中宮温泉に17キロ}の標識のそばで花に囲まれ雨具を枕にお昼寝。しばらくすると女性が一人、室堂をピストンらしい。
結局出会った登山者は室堂往復の3名とゴマ平まで行くと言う方一人の計4名だけ、素晴らしい場所なのにもったいない事だが、今までの私にしても何度も白山は来ていてもここまで足を伸ばしてはいない。だから沢山の花が残っているのだろうから、これでいいのかな。 Jちゃんが降りていった方に足を伸ばしてみると、北弥陀ヶ原は一つ山を越したその向こうみたいで、彼女はいつかゴマ平で泊まって中宮温泉まで縦走してみたいらしい。
彼女なら出来るが、問題は交通手段。
そうこうしているうちに戻って来たので帰る事にするが、本に書いてある時間よりかなりのスピードで1時間あまりで往復して来ている。彼女、本当は室堂まで2時間半で登れる人なんです。

どこ見てもクロユリ・クロユリ・・・

この辺りのクロユリは終わっている、
奥の山の向こうが北弥陀ヶ原

ガスがかかって右奥の大汝の頂上は隠れている
   

剣が峰 奥に御前峰 もう少しだ・・・
予定の2時過ぎたので戻りかけるが名残り惜しい。
生憎と雲がかかって剣が峰や大汝はクッキリとは見えていないが、下までガスが降りてこなくて良かった。今年は雪渓がこの時期まで残っていたが、もし無い年は雪渓の下も全部お花畑なんだろうか。高度差300M登り返しで最後の急坂はちょっときつかったが、いつもの私と違って身体が嫌と言わない。どうしたんだろう?足が軽く前に出る。上に出る頃ポツポツと少し雨が降り始めたが大したことなく、1時間あまりで分岐に出て、まだ時間があるのでお池めぐりをして室堂に戻った。お池めぐりは何十年ぶりだろう、若い頃翠ヶ池の雪渓で遊んだ覚えがある。
ここもチングルマが多く、綺麗だったろう。この花が草でなく木とは最近まで知らなかった。
しかし、室堂センター側から見る長いすそを引いたなだらかな御前峰の向こうは、こういう岩ばかりの荒涼とした火山跡で、全く違った顔を見せている。わずかのハイマツとチングルマ、イワギキョウだけの世界だ。今日はライチョウの姿は見なかったので、白山にもいるのだろうかと調べたら、かってはいたが現在はいないとのことでした。4時頃室堂に着き夕食を待って済ませてから、小屋に入り明日に備え休みました。
  
  ヒルバオ雪渓                        翠ヶ池                 御前峰と白山比盗_社奥宮
2日目
室堂(5:10)〜大汝基部分岐(5:42)〜(6:03)大汝峰頂上(6:35)〜七倉の辻(7:25)〜四塚(7:39)〜
七倉の辻(8:05)〜釈迦岳頂上(10:14)〜(10:30)前峰(11:10)〜林道入り口(12:55)〜市ノ瀬(14:00)
白山の小屋は食堂もおトイレも別棟にあり、休憩・談話する場所もセンターにあるものの小さく、何か食べたらさっさと眠りなさいモードになっているのは少し寂しい気がする。
今回はどういうわけか元気で、食欲もあり足も痛くないしぐっすり眠れた。3時過ぎ頃からザワザワする人の音で目が覚め、外に出てみると星空・・・今日もいい天気かなあ。
しばらく横になっていたがもう寝れないので支度を始める。
皆さんご来光を目指すらしく、まだ神社の太鼓の音がしないけどヘッドランプを付け歩き出している様子。
窓から見ると灯りが数珠つなぎなって頂上に向かっている。
私たちは今日はまず大汝峰、朝食はお弁当で貰ってあるのでセンター前で水分など補給して出発!
昨日と同じ大汝方面に向かう登山道に入ると、12〜13名の団体さんが先を行く。どこまで行かれるのだろう。
分岐地点で同じ部屋だったやはり女性二人組と別れる。
彼女たちは本当は岩間道を下るつもりだったらしいが、センターで確かめると道は草も刈られていないし、荒れたままだから止めた方がいいと言われ、お花松原ピストンに代えたのだ。
       雲海に浮かぶ別山                     Jちゃんも大汝の頂上は初めてと言う。
岩ばかりの道を行くと15分ほどで広〜い山頂に出る。
下から見ると円錐形に見えたこの山も台形なのだ。
360度の展望ではるか東に目をやると、大きな御嶽山、その少し左手には乗鞍岳、残念ながら来たアルプスの山並みはもう少しの所で雲が切れない。御前峰や剣が峰が朝日を受けて光っている。小さな神社や避難小屋がある。私たちはここで朝食、今日の行程は長い、しっかり食べねばとお弁当の包みを開けると棒状の蒸し寿司。どこでも同じような物が出てくるものだ。
先の団体さんも朝食らしい。北側に目をやるとこれから行く七倉、四塚方面もすっきりと見え朝日を浴びている。
今日は白山山岳マラソン(市ノ瀬〜釈迦岳〜室堂〜南竜〜別山〜チブリ尾根〜市ノ瀬)があり、山の会の会長S氏が参加しているはずと言うので、私たちは途中必ず会うだろうから応援しょう!と意気込んでいたのだ。
後で他の方のH・Pを見ていたらどこかこの頂上にもコマクサがあると言う。しまった!もう遅いにしても場所を確かめたかったが残念!早く七倉の辻に行かなくてはと急いでいた。
  
  大汝峰の登山口                白山大好きと言うお二人                  頂上(2.684M)

大汝頂上から

七倉山と奥に小さく四塚山の頭が・・・

御手水鉢

七倉の辻
上から大汝〜室堂の巻き道を見ても走っている人影は見えない。まだなんだろうかと思いながら七倉の辻に着き、ザックを置いたまま四塚山を往復して来ることにした。
この辻は加賀禅定道・岩間道・釈迦新道・室堂への分岐点です。どんどん登山者はいなくなり、四塚に向かう道でまたまた笹についた朝露で濡れてしまった。
Jちゃんお気に入りの山で、「本当はチングルマで一杯のとても静かな雰囲気のいい頂上なのよ。」と残念がってくれたが、朝日を受けてピンク色に光る花穂は綺麗でした。
戻ろうと下を見ると、あの団体さんが辻から釈迦新道に向けて降り始めている。でもランナーらしき姿は無く、おかしいなあと思いながら戻ると、そこに丁度Jちゃんの知人が女性4人ほど連れて釈迦新道から上がってきた。本来ならその男性お二人は駆け上がって来たのだろうが、女性方に合わせて3時半に市ノ瀬を出たと言う。まだ8時頃、ランナーは5時スタートと聞いているのでそのうち会うだろうと降り始めるが、誰も来ない。
良く聞けば良かったのだが、大会は参加者があまりいなくて中止だったと言うのだ。

釈迦岳は左奥

 釈迦新道はお花道
知らない私たちはSさ〜んと叫びながら歩いていると、マツムシソウの咲き誇る斜面に出た。あっちもこっちも青紫の可愛いお花畑♪ 日差しが強くなり撮った写真はどれも白っぽく光り失敗作品ばかり・・・。こんなに沢山咲き乱れているのを見たのは初めてで、それからもいろんな花たちが十分咲いていてくれて本当に嬉しかった。谷に目を向けるときっと遅くまで雪があったのでしょう、今頃ニッコウキスゲが満開のところが多く斜面が黄色くなっている。道中も両脇はキスゲの終わったのが沢山できっと8月初旬までは素晴らしかっただろう。黄色と言えばそれ一つ見るとあまり人気が無いオタカラコウもシモツケソウ、トリカブト、イブキトラノオ、ハクサンフウロなどに混じって群生していると目だってなかなかのものだ。
とうとうデジカメのメモリー残量が無くなり、替えのを入れたが高画質にしたままだったのであっという間に又、無くなってしまった。仕方なく良さそうでないのを削除しては撮ってみたが、もう沢山ありすぎて撮れない。
尾根を下って水場にさしかかるが水は無いらしい。
オオサクラソウがこの辺りに咲くと聞いているが、見に行く気は無く「暑い〜」とただ足を前に前に・・・少し上り返して池塘を過ぎるとカライトソウがいっぱいの釈迦岳(2.053M)の登り口で、団体さんが降りてくるのを待って一応頂上に上がってみるが、何も見えないし、道も笹で覆われこれでは可哀相すぎる。
標識に室堂に7キロ、市の瀬に7.9キロとある・・・と言う事は四塚を往復入れると私は15キロたっぷり歩くと言う事?
エスケープルートは無い、何と言ってももう歩くしかないのだ。
雲が多くなり振り返っても今来たコースは見えないし、釈迦前峰から湯の谷をはさんで今自分が歩いてきた白山の山並みを眺めてみたかったがこれもガスがかかりなかなか消えそうに無い。写真はあきらめて昼食をとり、少し横になって休んだ。
日曜とあって前峰の頂上は団体さんの他にも釈迦往復の登山者が合計で10名近くはいたろうか。
団体の方々は東郷地区中心のあすわ山岳会の皆さんで、これから下る道は初めての方が多いらしく簡単な事言ってらっしゃるが、長いんだけどなあ・・・と思いつつ先に立たれるのを見送る。
私たちも11時過ぎたので降りはじめる。気温が上がっているのだろう、どんどん暑くなり頭の中はカキ氷!カキ氷!
ダケカンバの樹林を過ぎてブナ林に入った所で先の中のお二人が「膝をいためて〜」と坐っていらっしゃる。
まだまだ先は長いから大変だ! ブナの中は涼しくて時々吹く風も心地よい。残りの10名あまりの後ろが見えたので、私たちもぶなの木の下で一服することにした。おやつはグレープフルーツ、これが山では一番美味しい。
ブナの気を頂き元気を取り戻したので、下山開始! ベンチのある水場(水は無し)を過ぎしばらく行くと男性が一人仲間を心配して立っておられた。どの辺りで会ったかと聞かれて、「かなり上で、それも途中休んでいても降りてくる姿は見なかった。」と答えると心配そう・・・どうも出来ない。すぐ他のメンバーも追い越して、私たちは1時間45分で林道にでた。ここにあるお地蔵さんの水場にも水は全く出ていない。前に来た時はすごい量で出ていたのに。
日当たりの良い林道をペットボトルの最後の水で濡らしたタオルで首を冷やしながら歩く事35分。
登山口までの森の中は涼しくて良いのだが、この下りはかなり弱った足にくる。きっとあの膝を痛めた方には辛いだろう。
市ノ瀬の駐車場には2時近くに着き、無事の登山を終えて感謝感謝の言葉しかない。
Jちゃんに自分の足で頑張ったんだよと褒められてちょっと嬉しい♪ 白峰の総湯で汗を流して帰福。
大満足の私の夏は終わった!これでストレス解消だあ! 翌日足が少し張って重いが元気でいる。写真は200枚あまり・・・
いつもながらピントが合っていなかったり、下手くそだ。









ミネヤナギ
一番最後の白い花、花びら4枚、紫色のおしべかめしべ
花の名前はヒメクワガタ?
他にも多数、タカネナデシコ・センジュガンピ・ミソガワソウ・タテヤマウツボグサ・トモエシオガマ・ハクサンシャジン・ミヤマダイコンソウ・ウラジロタデ・イワツメクサ・ハクサンイチゲ・ミヤマダイモンジソウ・ミヤマホツツジ・ミヤマコゴメグサ・イワショウブ・カニコウモリ・サラシナショウマ・ミヤマコウゾリナ・オヤマノリンドウ・ツルリンドウetc