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犬・猫の避妊去勢について

これを書いている時点では(2月末)、寒波の戻りで、冬に逆戻りしてしまいましたが、これを読まれる頃には、きっと春がそこまでやってきていることでしょう。

 春になると、動物病院に増える問い合わせのひとつに、避妊に関することがあります。

 学術的には犬・猫に関して言えば、繁殖は季節にはあまり関係が無いといわれていますが、ここで少し、避妊の話をしましょう。

 必要の無い子を生み出さないためにも、避妊は飼い主の義務のひとつといわれています。その方法は、ホルモン剤を注射したり、ホルモンを徐々に放出するような薬剤を皮膚の下に埋め込んだりといくつかありますが、永久に子供を必要としないのであれば、やはり手術によって、メスは卵巣・子宮摘出術をオスは睾丸を摘出する去勢手術を行なうのが最良と考えます。というのも、手術をすることにより、メスは子宮蓄膿症(子宮に膿がたまる病気)などの生殖器がからんだ病気、オスは前立腺関連の病気などが予防できるからです。

 また猫では喧嘩の回数も減り、俗に言う猫エイズにも感染しにくくなりますし、犬では落ち着きと聞き分けのある犬になり、一般に飼いやすくなると言われています。平均寿命も1年以上延びるというような報告もあります。

 このように避妊は飼い主の義務という事だけでなく、動物にも大きなメリットをもたらしますし、ほとんどの動物病院ではこの手術の社会性という事を考慮して、他の手術に比べ、安価な価格設定がなされていると思います。また、ある市町村では、この手術に補助を出しているところもありますから、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか?

 また、不幸にも子供が出来てしまったからといって、安易に捨てないでください。捨てた子が、いいひとに拾われ幸せになるなんて、捨てた人の勝手な考えでしかありません。いろんなメディアを使って、新たな飼い主を探すよう努力すべきです。

 私の所属している福井県獣医師会では、そういった不幸な仔犬や仔猫を増やさない為に、里親探しネットワーク事業を立ち上げましたので、仔犬・仔猫を探している方、また努力しても飼っていただける方を見つけられなかった人は連絡しみてください。

 石川県や富山県では良く似た活動を県の動物保護管理センターで行なっていると聞いていますので、そちらにお住まいの方はそこに問い合わせてみてください。