初めての人たちとは緊張する。
何か、風邪を引いたみたいに体が熱くなってくる。
舞台はすでに用意されていて、盛り上がりはすでに最高潮。
これを消沈させたくない・・・そんな心配ばかりしてるよ。

出番が近づくごとに、鼓動の高まりを感じる。
喉が乾いてくる、ウーロン茶無くなっちゃった。
不安が頭をよぎる・・・もし失敗したら・・・。
何事も始めが肝心なんて、一体誰が言い出したんだよ〜!

いよいよ次が僕の出番、
足の震えが止まらない、貧乏症なのかな・・・。
ちょっとお腹に力が入らない、なんか吐きそう。
あ・・・歌が終わった、後奏も終わっちゃったよ・・・。

震えた足で前に出る。
舞台はすでに用意されていて、喉が乾いて・・・
体が熱くて・・・不安がよぎって・・・
前奏が始まって・・・腹でから息を・・・吸えるかな?






こんな時・・・姉さんはどうだったんだろう・・・・


















カラオケ物語 第3部  〜JKMC 回想編〜
第一話:最初の一瞬 仁木 友信= 赤川 昭介= 神谷坂 智= 「・・・・・・・どうしたの?」 え?・・・・あ・・・・・ 気がついたら、ずっと物思いにふけっていたようだ・・・。 「いや・・別に何でもないけど・・・。」 「そう・・・・・・行くんだよね?今日。」 「ああ・・・」 ふぅ〜・・・今日も確定曲を稼ぐだけの日々か・・・。 あんまりたくさん認定曲登録するもんじゃないな・・・。 二度目とは言え・・・残りの曲すべて認定登録してしまったしな・・・。 あ〜あ・・目新しい「裏技」でも覚えて「コレクター」に走ろうかな・・・。 JKMCに入って、早7ヶ月・・・・か・・・・。 ............................................................................................ 「ここがJKMCの活動場所・・・・。」 今日は月に1度の合同活動日らしく、僕は今その本拠地に来ている・・・。 そこの会長の紹介で、F県からの参加者に連れてきてもらった。 あの・・・病院での決心から1週間・・・ついに僕のJKMC活動が初まるんだ!! しかし・・・・・あれ・・?ここって・・・。 「こ・・・ここって、だ・・・大学じゃないですか!!」 「ん・・?神楽坂さんから聞いてなかったんすか?  うちらJKMCの活動のほとんどは、大学の教室とかを借りてるんですよ。」 まるで当たり前のように・・・飄々(ひょうひょう)と答えやがる・・・。 もう一人の便乗人「赤川」君の話によれば・・・この大学は、 届を出すことで休日使わない教室を、一般に貸しだしてくれるらしい。 大抵の学校ではそういうのやってるらしく、 全国のJKMCでそれを利用している所も多いという。 ・・・ここJKMCはあくまで一般のサークル活動、当然活動するには「話し合う場所」が必要。 でも・・・なるべくコストを下げるための趣向とはいえここまで・・・ だが・・・これだけじゃなかった・・・。 「あ・・・そうそう、ここには部室もあるんだよ。」 「ふ〜ん部室ですか・・・・・・・えっ!?・・・ここにって・・・大学内に??」 これにはさすがに驚いた。 ここ北陸JKMCは「ここ」の学校の生徒も何人か巻き込んでいるらしく、 その人たちがいるのを名目に、格安で部室を獲得したらしい・・・。 ただ、部室とは言っても学校すみにある倉庫をちょっと改良しただけらしく 校内関係者からは「あばら家」と言われてるようだが・・・ しかしこのおかげで、少なくともK市の連中はたびたびここに集まる事が出来て、 かなり重宝しているらしい。 まるで大学のサークル活動のようだ・・・ いや・・・うちのサークルと何処が違うんだ? 「それじゃあ行こうか。」 その部室には後でよる事にして、僕は今回話し合いを行う教室に案内してもらう。 「おはようございます。」 ひとりの女性が、うちらに声を掛けてきた。 なんか凄くおとなしそうな感じがする・・・この人もJKMC会員なんだろうか? 「あの・・・こちらの方はもしかして新規の・・・。」 「ああ・・・そうっすよ。名前は『仁木友信』君、福井出身の学生さん。」 「あ・・・よろしくお願いします。」 ペコ 「あ・・・いえ、こちらこそ。私『倉本ちなみ』といいます、よろしく。」 ペコ なんか・・・礼儀正しい人だな・・・。 JKMC・・・神楽坂さんの話では・・。 (もう一回言っとくけどJKMCは『カラオケを極める事を目的』としたサークル、  当然、他のカラオケサークルとは比較にならない位レベルは高いからね。) ・・・あの人もそうなのかな・・・。       なんて事を気にかけながら校舎内へ・・・・。   「おう、おはよう、澤田君ご苦労様。」 「おはようございます。それじゃあ後は任せますんで・・・。」 一緒にきた二人は、目的の教室に入って行った。 ここに表れた一人の男性、 この人こそ僕をJKMCに誘ってくれた会長、神楽坂さんだ。 「今日はよく来てくれました。よく決意してくれたね。」 「あ・・・はい!」 「もう、会員のみんなには会った?」 「あ・・・2,3人位とは・・・」 「そうか・・・、今日は新規会員紹介と言う事で、これから始まるミーティングで全会員に  紹介します。・・・なので、呼ばれたら入って来てください。」 「はい。」 そう言うと神楽坂さんは、隣の教室のほうに行ってしまった。 ふぅ〜・・・いよいよか・・・ 姉さんが入ってたカラオケサークル・・・一体どんな所なんだろう。 どんな活動をするんだろう・・・・少し怖いけど・・・楽しみだな・・・。 しばらくして、たくさんの人が教室に入って行くのを見た。そろそろ始まるらしい・・ 「・・・はい!みんな静かに!これからカラオケに行く前に、新規会員を紹介する。」 なんか部屋がざわついてる・・・。一般のサークルとは言っても新規会員て珍しいのかな? 「それじゃあ、入って来て。」 言われるまま僕は教室の中に入っていった。さほど目新しくもないゴクゴク見なれた空間。 段々畑を思わせる机の列、正面には大きな黒板。うちの大学と大差は無い・・・。 みんなの視線が僕に集中する、ちょっとドキドキする。 初めての人たちとカラオケに行くのと似た緊張感があった。 「彼が今日から内のサークルに入ることになった『仁木』君だ、ようこそJKMCへ!」 え・・・?あ・・握手・・・・? 一応答えとくか・・・・。 「は・・・はい、これからよろしくお願いします!」 ぎゅっ パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・。 「入会おめでとう!」 ハハ・・・こんなに歓迎してくれるんだ・・・・。 (入会の極々簡単な挨拶、そんな中拍手喝采で僕を迎えて入れてくれたたくさんの会員たち・・・  しかし、まさかこの拍手に別の意味が込められていた事を僕はまだ知らなかった。) 挨拶も終わって席につく・・・ すると、いきなり隣の娘に声をかけられた。 「ねぇ・・・ねぇ・・・あなた入会試験で満点取ったって本当?」 は?     試験? 「な・・・何の話?」 「あ、とぼけてる〜、噂で聞いたよ〜、すごい成績の人が来るって・・・。」 「俺・・・そんなの受けてないけど・・・・。」 「え!?」 女の子がちょっと大声を上げた。 「どした?」 「あの・・・この人、試験受けてないって・・・・。」 「ああ試験ね、受けてないよ彼は、俺が入れたから。」 「え?・・・あ!もしかして☆☆☆☆☆特権・・・使ったんですか?」 「ああ。」 その時、みんなの顔が一瞬こわばった・・・。 「な・・・なんだよ・・・特権で入ったのかよ・・・。」 「えぇ〜嘘ぉ〜、信じらんない。」 な・・・なんだよ・・・・なんなんだよ・・・どう言う事なんだよ? すると神楽坂さんは・・・。 「なんだ?みんな不満か?それじゃあ今からカラオケ行くか!そうすれば納得してくれるだろう。」 な・・・ちょ・・・ちょっと! するとみんなが同時にうなづいた、様に見えた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・そ・・・そんな・・・俺・・・そんな・・ ど・・ど・どう言う事ですか神楽坂さん。試験なんて、聞いてないですよぉ。「あ?ああ、そういえば言わなかったっけ、君には必要無いと思ったからな。   でも大丈夫だろ、今からカラオケ行くし、そこで実力見せれば納得するって。」 そ・・そんな事・・・もしだめだったらどうするんですか〜「大丈夫だってお前なら。あ・・・でももしだめだったら審議にかけられるかな・・・俺が。」 し・・・審議って・・・。「☆☆☆☆☆特権乱用とか・・・ハハハハ・・・頼んだよ。」 ポン 神楽坂さんの手がやけに重く感じた。 ・・・・・・・・・・・・・・不安が体を襲って来る・・・・・・・・・・・・・・・。 カラオケへ向かう途中・・・僕は気だるかった・・・・。 ああ・・ああ・・ああああ・・・僕は入っちゃだめだったんじゃ・・・・。 ウウウウウ・・・・こんなに苦しい気持ちでカラオケするのかよ〜。 行く途中誰も話し掛けてくれないし・・・ああ・・・味方なんて誰もいないんだ・・・。 どうしようどうしよう・・・・・・。 着いてしまった・・・。 「それじゃあ今日は37人なんで、7部屋で行きましょう。」 ふ〜・・・良かった・・・部屋で別れるんだ・・これなら緊張も半減・・・ 「あ・・・ええ〜とその前に1時間だけ、大部屋一つ借りてみんなで歌いましょう!」 な・・・何を言い出すんだこの人は! そ・・・そんな事したら・・・ ポン 「楽しみだなぁ。」 ・・・・・・・・・・・・・ゾ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・ キツイ・・・・逃げちゃおっかな・・・でも今更・・・・ 「は〜い、それでは、第58回JKMC合同カラオケを開始します!」 周りは大盛り上がりの中・・・、僕は一人浮かない顔をしていた。 一人目がステージに上がる、歌い始めた。 曲名は 〜 Be With you  by GLAY  〜 〜♪〜 あなたに会えた事・・・  幸せの後先・・・・  〜♪〜      !! う・・・・嘘・・・・だろ・・・・ う・・・うまい! めちゃくちゃうまいぃ! こ・・・こんなの・・・し・・信じられない・・・。 この前の赤川君よりもうまいんじゃないのか。 〜♪〜 目の前には境界線 未来は近く果てなく遠い     幸せは多分何気なくて 満たされたときは顔を隠す。     振るかえるほどの余裕も無く 安らぎに身を寄せるでもない     時に強さを欲しがりながら もう少しだけここにいさせて     ウー、過去幾つかの  ウー 夢がにじんで     臆病な胸の高鳴りを 伝えられず雑踏の中に埋もれそうなとき          あなたに会えた事  信じ会えてるもの     その一つ一つに   心震えて     さえぎる物の無い  あなたに続く道の上で     今会いを束ねて   届けたいと願う・・・     あなたを愛する喜びと 苦しみを包み込むような     命の煌き思う時  誰も一人では生きられぬ弱さが愛しくて・・・     ・・その手をつないだ・・・。                  〜♪〜 何てことだ・・・もしこの辺のみんなが彼と同じ位うまいのだとしたら 完全に僕の出る幕なんて無いじゃないか・・・・。ウウウ。 二人目が前に出る 曲は〜 one more time one more chance  by 山崎まさよし 〜 〜♪〜 これ以上何を失えば 心は許されるの どれほどの痛みならば もう一度君に会える     one more time  季節よ移ろわないで     one more time  ふざけあった時間よ     食い違う時はいつも 僕が先に折れたね     わがままな性格が なおさら愛しくさせた     one more chance  記憶に足を取られて     one more chnace  次ぎの場所を選べない          いつでも探しているよ どっかに君の姿を     向かいのホーム 路地裏の窓 こんなとこにいるはずもないのに     願いがもしもかなうなら 今すぐ君の元へ     出来ない事はもう何もない 全てかけて抱きしめて見せるよ   〜♪〜 うまい・・・やっぱりうまいよここの人達・・・。 信じられない・・・こんなにうまい人がいたなんて・・・。 これがJKMCなのか・・・姉さんの通っていた、マスター達の集い・・。 3人目が前に出る、今度は女性だ 曲名は 〜 明日春が来たら  by 松たか子 〜 〜♪〜 走る君を〜見てた 白いボール〜キラキラ     放物線〜描いて 記憶の奥へ〜飛んだ     振り返る君〜遠くへ 追いかけてる〜まっすぐ     スタジアムの〜歓声  夢の中で〜繰り〜か〜え〜す〜     そうして名前呼びつづけて はしゃぎあったあの日     I Love You あれは多分  永遠の前の日          明日春が来たら 君に会いに行こう     夕立が晴れて時が 止まる場所覚えてる・・・。  〜♪〜 うわ・・・女の子もめっちゃうまい・・・ もうだめだ・・・こんな所で歌えないよ・・・。終わったら退会届でも出すか・・・。 あれ・・・予約状況が0になってる・・・・・。 「それじゃあ。そろそろ歌ってもらおうかな・・・。」 ああ・・・・・・ ・・・つ・・ついに来てしまったのか・・・。 こんな最悪のタイミング・・・今まで味わった事も無かった・・・。 イヤな緊張感が僕を包み込む、ぐぅ・・・苦しい潰されそうだ。 でも、今更逃げるわけには行かない、何を歌おうか・・・ よし・・・これでいいや! (直感で決めたはずのこの歌・・・しかしこの選択が自分の中で思わぬ効果を  発した事に僕は気づいていなかった。) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・緊張 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・不安 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・あせり 初めての人達だからと言うのもある。 周りが盛り上がっていると言うのもある。 当然必然的に起きたプレッシャーもある。 体が熱くなってくる。 喉が乾いてくる。 不安がよぎる。 足の震えが止まらない。 鼓動が早くなる。 腹に力が入らない。 何か気持ち悪い。 ウウウ・・・こんな状態で、どうやって歌えって言うんだよ〜!! あ・・・3人目が終わった・・・ついに僕の出番か・・・。 こんなとき姉さんだったら・・・・ は!そういえば!! 仁 ======================================================================== 前奏が始まる前・・・仁木はステージに立った。 皆の視線は、一斉に彼に向けられる。おそらく彼の緊張はこの時ピークに達したいるはずだった。 しかし! 〜♪〜 君が 〜♪〜 「あ!」 「ん?」 「はっ!」 〜♪〜 見え〜なくて 〜♪〜 「おっ!」 「あっ!」 「えっ?」 「あっ!」 「嘘?」 「なっ!」 〜♪〜 見え〜なくて  な〜んども呼びかけるよ     この〜胸に ま〜よぉってしま〜〜う〜〜・・・ 〜♪〜 「こ・・こんな・・!」 「Wリーチ一発?・・イヤ・・・天和?」 「う・・嘘だろ・・。」 「これってもしかして・・・GFFI?・・・・確かに感じた・・・・。」 「わ・・・私も・・・こんな感覚だったんだ・・・。」 「やっぱりみんな驚いてる・・・・。」 「予想はしてたが・・・まさか・・・こう来るとは・・・。」 仁木が選んだ曲は〜 Lies & Truth by ラルク 〜 しかしそんな事より彼は・・・・。 「目・・・目をつぶって・・・歌った・・・。」 それは・・・何ら難しいことではなかった。歌詞と出だしさえ覚えていれば造作も無い。 しかし仁木の場合それを、このあまりにも厳しい状況をクリアするために使用したのだ。 誰もが最初で躓くと思っていた。 あれだけの緊張を全体に表していた彼、うまく歌えるはずが無いと・・・。 ここで彼は目を開けた。 〜♪〜 君に眠る支配者は 今も無口なままのLies     軽い微熱 陽炎のように 揺らめいて離れない     あ〜少しまだ 震えてる 傷口にそっと 触れてみた         君が見えなくて 見えなくて 何度も呼びかけるよ     こんなにそばにいるのに・・会いたくて・・止められなくて     壊れそうな程  抱きしめていても 君が届かない      〜♪〜 「目をつぶるなんて・・・あいつ・・・やりやがった・・・」 「え?あれって何か意味があるの?」 「おそらくね・・・すぐには分からないけど、おそらくは理論に乗っ取ってした事だと思う。」 「う〜ん・・・観平君が言うならそうなのかも・・・何か分かったら雑記帳に書いといてね。」 「ああ・・・近いうちに論文形式で書いとくよ。」 〜♪〜  出口のない・・迷路みたい・・歪んだ引き金引いたのは・・誰?            君が見えなくて 見えなくて 何度も呼びけるよ      こんなにそばにいるのに・・会いたくて・・止められなくて      壊れそうな程  抱きしめていても 君が届かない      Lies & Truth 堕ちて行く 真実を探せない      誰より大切なのに  信じてる気持ち揺れてる      壊れそうなほど 抱きしめていても 君が届かない          Lies & Truth  見えなくて・・君が・・・・           〜♪〜 仁木の歌が終了した・・・。 =========================================================================================== ふぅ〜・・・何とかうまく言ったか・・・。 とっさに思いついた事とはいえ、結構うまく言ったもんだ・・・。 みんなには到底及ばなかったかもしれないけど、もう出せる物は全部出せた。 これで・・・心置きなく退部・・・・・・ 「仁木君、仁木君。」 「はい?」 「仁木君て『パラダイス銀河』って知ってる?」 「え?・・・えっと確か『光源氏』の歌とだけ・・・。」 「それじゃあ『わたしの青い鳥』は?」 「『わたしの青い鳥』って・・・・あのクッククックのですか?う〜んまぁ・・・少しなら」 「じゃあこの歌の『共通点』って分かる?」 「え〜?そんなのいきなり言われても・・・・・・・あ・・・分かりました。」 「そう・・・・。」 次の瞬間・・・・・・・・え?何かみんなに合図を・・・。 な・・・何を・・・・ せーの 「ようこそここへ!!」 い・・・いきなり一斉に!?   な・・・なんなんだ? 「あの・・・ええと・・・あの・・・。」 「仁木君ごめんなさい! 苦しかったでしょ? 凄く辛かったでしょ?」 「えっ?」 「本当悪かった、でもこれは必要な事だったんだ・・・。」 い・・・一体・・・・これは一体どういうことなんだぁ〜!?   「すべては俺の命令だ、もう一つお前の底が知りたかった・・・・すまん!」 か・・神楽坂さんまで・・・でも・・・・・・・・・底って・・・・。 は!! ま・・・・まさか! 「・・・わざと・・・プレッシャーを掛けていた・・・?」 「そう・・・みんな最初から仕組んでたんだよ、あのミーティングのときから・・・。」 「そ・・・そんな・・・なんでそんな事を! 僕が・・僕がどれだけ苦しんだか・・・」 「そう!!凄く苦しませた!だからそこは謝る!しかし・・・お前は打ち勝っただろう?」 あ・・・・た・・確かに・・・・・ 「君は今までカラオケに対して、ここまでプレッシャーを味わった事なんて無かっただろう?   だからまずそれを味わってもらいたかった、それを知るだけでも極めに繋がってくれるから。   本当は・・・そんな状態でもうまく歌えるだけの底力があるかどうかを見たかったんだが   ・・・予想以上だよ、まさか誰もが思いつかない対処法でそれ自体を克服してしまうとは・・・   全く・・・君の底が見えない・・・君はもう誰もが認めるJKMC会員・・・・・・   ・・・・・・・・・・・・・イヤ・・・・・・・・・・・・・・・カラオケマスターだよ。」 オオオオ〜!! 「ぼ・・僕が・・カラオケマスター?」 「・・・・会員のみんなもこれに賛成かな? 賛成の人拍手〜。」 パチパチパチパチパチパチ 「いいぞ〜!」 「異論な〜し!」 「OK!OK!」 「いよぉ!天才!」 な・・・なんだ・・・このノリは・・・。 個人別の評価はしているとは聞いてたけど・・・ カラオケマスター?これもANってやつの一つなのか・・・? 「それじゃあ!これから部屋事に分かれて本格的に活動再開ぃ〜!部屋の番号は・・・・。」 ゾロゾロゾロ・・・・・ 早々とみんな出ていってしまった・・・。みんな早いな〜。いっつもこんなのかな〜 「おめでとう!」 あ・・・さっきの女の子・・・、よく見たら結構可愛いな・・・。 「あの・・・神楽坂さんの事悪く思わないで、あの人、ちょっと厳しいところあるから。」 「あ・・・いえ、別に・・・それにしても・・・みんな歌うまいっすね。」 「ウ〜ン・・・あなたも相当な者だと思うけど・・・北陸会員の中でも高い方のレベルの人達と  比べても、あまり見劣りしなかったしね。」 「えっ?」 「会員のみんながあそこまでうまいわけじゃないよ。ほとんどの人はちょっとうまいくらいだし、  でも本当びっくりした。まだあなたみたいな人が一般人でいたなんて・・・。  あの、歌い方も自己流で見つけたんでしょ?」 「イヤ・・・違うよ。あれは姉さんが・・・・。」 あ・・・しまった!口止め・・・・ 「え・・・何?・・・・・今なんて?」 「はい!は〜い!そろそろここの部屋空けるからさっさと移動するする!・・・仁木君ちょっと」 「あ・・ちょっと神楽さ〜ん!」 バタン 「す・・すいません!ついうっかり・・・。」 「・・・まぁ・・別にばれてもそれなりの対処法は考えてるけど・・・。   今はまだ言うべきではない、君があの『仁木麗華』の弟だって事はね。」 今だにその影響は残ってる、 やっぱり・・・凄い人だったんだ・・・姉さん・・・・・。 その後・・・・各部屋に分かれてのカラオケは夕方まで続けられた・・・。 最初の緊張感とは一変してとても楽しいカラオケをする事が出来た。 でも一番最初の3曲と比べたら確かに劣るけど、みんなかなりうまい! こんなにうまい人がたくさんいるカラオケは本当に初めてだ。 でも、ひとつ気になることがある。 部屋の中の何人かが、他の人が歌ってる間に何かを書いてたんだ・・・。 あれは何だったんだろう・・・。 やがて終わりの時間がやってくる・・・・。 一つ一つの部屋に神楽坂さんが声をかけて回っている。 考えてみればこんなに大勢のカラオケ・・・まとめるのって結構大変なんだろうな・・・。 一同カラオケから出て、朝集合した教室へ・・・。 これで終わりかな・・・と思ってたら。 また神楽坂さんが気になることを言い出した。 「それではこれから『マスター試験』を受ける人は左側へ、   『アドバイスレポート』を書く人は右側に行ってください!」 はい?  試験?  マスターになるための? な・・・どう言うこと?  またまた新事実なんだけど・・・。 それにアドバイスって・・・。 「・・・神楽坂さん・・・あの、言ってる意味がよく分かりませんが・・・。」 「え?・・・ああそうか・・・そういえば会則とか他色々なもの見せてなかったっけ?   そうだなぁ・・・まぁとりあえず『マスター試験』を受けてくれない?」 「『試験』・・・って、僕何も勉強とかしてないですよ?」 「あ・・・その点は大丈夫。そんなに難しくないから。」 まぁいいか・・・落ちたら落ちただし・・・とりあえず、僕は教室の左側へ・・・。 そこで試験用紙が配られた。 「それじゃあ・・・初め!」 一斉に用紙を表に返す。 「ん・・・・?あれ?・・・何これ?・・・。」 - to be continued - ほとんど何も知らされないままに、次々と起こるJKMCの活動。 一難さってまた一難、早く会則読まないと・・・ 次回『マスター試験』、僕ははたして合格できたのかな・・・。 SA紹介 GFFI(Cランク): 一般的にカラオケのうまい人は、その人が「うまい」と認識されるまで 早くて2,3フレーズ、遅くても1番が終わってからだと言われている。 しかし、真にうまい人になると「最初の一小節」・・・イヤ・・・ 最初の5〜6文字で「この人はうまい」と認識させることが出来ると言う。 また、聞き手側もその能力が高いほど「うまい事」に気づくのが早く、 その両方が重なると「最初の2〜3文字」で、そう思わせることが出来ると言う。 この現象をJKMCでは「GFFI」現象 本文に直すと「Great Frash First Impression」 つまりは「最初の一瞬で最高の印象」 ← 変な訳過ぎる・・・。 と言われ、それを起こした人は「GFFI」と言うSAを手に入れることになる。 似たような能力として GFI(Dランク): 最初の曲で「うまい」と認識させる事。 リザレクション Resurlection(Cランク): 極度の「歌う事による」緊張状態を歌う前に克服するSA能力。 「復活」と言う意味がある 似たような能力として、 プロテクション Protection(Cランク): どんな状態でも歌に関しては緊張しないSA能力。 「防御」と言う意味がある リフレクション Reflection(Bランク): 緊張を逆に利用して、よりうまく歌うSA能力。 今回仁木君はこれら二つを手に入れることが出来ました。 今回神楽坂さんは『彼にはその才能がある』と信じて、ああ言うことをしでかしたんですね。 まぁおかげでSA能力も手に入ったんだし、今回はこれで良しとしましょう。 でも、あなたは気づいただろうか・・・ 仁木君に、実は聞き手のGFFIの才能があったと言う事に・・・。 戻る    第二話へ