「カラオケ物語」第二部 第4話「Fact」後編
仁木 友信= 赤川 昭介= 神谷坂 智= ガタン・・・・ゴトン・・・ガタン・・ゴトン・ガタンゴトン・・・・・ 「次は新高屋町,新高屋町です、お出口は右側になります。」 休日の昼間・・・・隣町まで行く電車のこの雰囲気は好きだ。 目を閉じてゆっくり考え事が出来るから・・・。 ・・・・今日はこの前の事を思い出す。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「それは・・・・ソウゾウ力ですね。」 「ほう・・・これはまた面白い答えだけど・・なぜ?」 「さっきも言ったように、カラオケは『真似』が一番の近道ですよね。   それだと何が重要なのか・・・それは、それらの歌手をイメージする事だと思うんです。   そのために必要な物は『想像力』・・・。」 「ふ〜ん・・・なるほど・・・。」 「さらに・・・・」 「え・・・?」 「そのイメージしたものを上手に再現する事、ようするにそれらを創り出す力。そのために   必要なのが『創造力』・・・と言う感じですが・・・・・・・あ・・あの?」 神楽坂さんが呆然としている・・・ちょっとカッコつけ過ぎだったかな・・・。 しばらくして・・・ 「そ・・・そんな・・・・・すげぇ・・・」 隣で赤木君の呟いた。ちょっと見たら目を円くしてる・・・。よっぽど変な事言ったかな・・・。 「あ・・・あの・・・神楽坂さん・・・すいません変な事言って・・・。」 「・・・・・・い・・言う事なしだな・・・・・やっぱり君は・・・。」 「え?」 俯きながら話す神楽坂さんの声は・・・少し振るえていた・・・。 「才能とは・・・受け継がれるものなのか・・・。」 「あ・・・ま・・まさか!」 赤木君がなにかに気がついた用に声をあげた、一体どう言うことだ? 「お・・・お前・・・仁木麗華さんの弟?」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ その瞬間言葉を失った・・・・・・・・。 麗華は、僕の姉さんの名前・・・でも・・今姉さんは・・・ い・・・いや!そんな事よりも! なんでこいつが姉さんの名前を知ってるんだ!? 「ど・・・どうして・・・。」 「仁木麗華、つまり君の姉さんは・・・・うちらが所属してる会のメンバーの一人だった。」 な・・・なんだって!? 「そ・・・その会って・・・なんの会ですか?」 「何って・・・君、知らされてなかったのか?うちらの会の名前は   『ジャパンカラオケマスターズサークル』通称『JKMC』と呼ばれてる『カラオケ』の会。」 JKMC・・・聞いたこともない名前だ、 それじゃあ姉さんはそんな怪しげな会の一人だったと? 「そ・・そんな・・・僕・・・全然知らなかった・・・・。」 「そうか・・・やっぱり聞かされてなかったのか・・・。」 しばらく沈黙が続いた・・・・。 「あの・・・麗華さんは、今もお元気で・・・・」 「あ・・・馬鹿!」 赤川君がしゃべったのを、神楽坂さんがすかさず静止した。 「す・・・すまない・・・・・お姉さんは・・・気の毒なことをしたね。」 「いえ、別に・・・もう三年も前の事ですから・・・。」 すると・・・。 「気の毒って・・・ま・・まさか・・麗華さん・・・。」 赤木君はヘタッとその場に座り込んだ。そして・・・・泣き出してしまった・・・・。 「え・・・あ・・・あの・・・。」 「そうか・・・お前もか・・・・。」 どうやら・・・・神楽坂さんは全て知っているようだ・・・・。 彼は赤木君の肩をポンと叩き、ゆっくりと立たせた。 「今日はこの辺で失礼するよ。」 「え・・・ちょ・・ちょっと待ってください、僕は・・・。」 すると即座に神楽坂さんは。 「君とは近いうちにゆっくりと話がしたい、また会ってくれるか?」 「え?・・・ええ、僕もあなたから聞きたい事がたくさんあります。」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「次は〜,新高屋〜新高屋です・・・。」 色々と思い出してる間に、どうやら着いた用だ。 いつものように駅から出て,歩いて目的の地へ向かう。 「こんにちは〜。」 「あら仁木君、今日は早いわね。何か他の用事?」 「ええ・・・まぁ。」 「あ・・そういえば、さっきお姉さんの事聞いてきた人がいたわよ。  なんか・・・たくさんお花持って・・・お知り合い?」 「ああ・・はい、その人今姉さんのところですか?」 「多分ね、ただあそこは一般人立入禁止になってるから・・・。」 「僕の知り合いなんで・・・中にいれてあげてもいいですか?」 「ええ、はいこれ鍵ね。」 昔は絶対安静で、面会謝絶状態だったのに。 今はこういった制限はあるけど、ちゃんと普通に会うことが出来る。 容態が大分良くなったからだと、先生は言うけど・・・。 「あ・・・いた。」 病室のガラス越しに、姉さんを見ている1人の男性。 冷静に見ているが・・・目が赤いな・・・。 「あ・・・。」 「あ・・・どうも、こんにちは。」 ============================================================================================ 「前までは、遠くで見てることしか出来なかったのにな・・・。」 眠る麗華の側に座る。こんなに近くで見るのは本当に久しぶりだ。 「大分容態も良くなったんだな。」 「・・・先生もそう言います。いつ目が覚めてもおかしくないって・・。」 顔色も良く、息も整っている、本当にただ眠っているだけのようだ。 周りには一応脈拍と呼吸を監視する機械があるようだが・・・。 もう一度彼女の顔を見る。 懐かしい・・・ 昔の事を思い出す・・・・。あれは俺がJKMCの副部長だった頃・・・。 ........................................................................................... 「新規会員?」 「そうそう今日来るらしいよ。何でもすっげぇ可愛いんだって。  それに、何でも入会試験の成績がめちゃめちゃ高いって話でさぁ〜。」 「ふ〜ん・・・。久しぶりだな。誰の紹介?」 「いや、一人らしいよ。ほら、うちらって雑誌にも紹介してるし。」 「嘘!? あんな小さい項目からここを探し出したって?」 その頃の北陸JKMCは出来て間もなく、人数も少なかった。 それで、色んな手段を使って宣伝活動をしてたんだが、あまり効果なし。 だから大抵、誰かからの紹介で入会する人が多かったんだが・・・。 今回みたいなケースは初めてだった。 「あ・・・来た来た。」 「新入会員を紹介する、仁木麗華さんです。」 「よろしくお願いします。」 一目見た瞬間、なんとなく可愛いと言う印象しか受けなかった。 しかし・・・ 「それでは、今からカラオケへいくんで、準備してください。」 そこで・・・僕は聞いてしまったのだ・・・・。 彼女の・・・その・・・何とも言えないほどの歌声を・・・。 綺麗過ぎる声質は聞くもの全てを魅了し、その歌唱センスはとても一般人とは 思えないほどだった、特に高音域、あまりの綺麗さにメマイを憶える程だった。 その上合唱や声楽とも違う、カラオケの歌い方を彼女は知っているようだった。 ・・・「表現力」・・・・ JKMCでは歌唱力よりも重要と言われてる。彼女の歌は正にそれが一番高かった・・・。 瞬く間に彼女はマスターになり、会を重ねる度にランクアップしていき、 ついに・・・わずか4ヶ月で「歌い手」のANを獲得した。 この頃はまだ、「才能」系のANがなかったけど・・・。 今、それをすれば「劇的才能」と言う才能系最高のANを持つことになる。 「凄い・・・凄いねぇ・・・まだ4ヶ月なのに、もうAクラス入りなんて。」 「はい、ありがとうございます。」 「この調子で行けば、次のクラスもすぐなんじゃない?」 「それは分かりませんけど・・・私、ガンバリます!!」 しかし・・・ここからが試練だった・・・ あれから3ヶ月、彼女のANは歌い手のまま停滞・・・・。 ついに彼女にもスランプがおとずれたのだ・・・。 才能でトントンと上がってきた分、この停滞期は彼女にとってとても苦しい物になっただろう。 しかし・・・・ 「ここが限界だなんて思いません! 私、ガンバリます!!」 彼女は凄く頑張った、人よりもたくさん歌い,聴き,学び,教えていった。 その甲斐もあり、その次の月みごとAクラスの上を行った。 そしてある日・・・。 「仁木!お前一般のカラオケ大会に出た事無かったろ?」 「はい。」 「今度の大会・・・お前出てみないか?」 「え?・・・でも、私もう☆☆☆☆だし・・・出れないんじゃ・・・。」 「イヤ!この前会則が訂正されて、『参加経験の無い人は参加しても良い』って事になったんだよ!   この大会、最後には全国大会まであるからそれなりにレベルは高いよ。」 「・・・でも・・・一人で出るのはちょっと恐いな・・・。」 「大丈夫、今回の大会は『3人グループ』だから、他の人見つけて出ればいいよ。」 「・・・う〜ん・・・。」 「それに・・・・・全国大会まで出れば関東に行ける。   そこで関東の人に直接歌を聞いてもらうことも出来るんだよ。」 「え・・・?それって・・・・・。」 「そう、この大会は☆☆☆☆☆になるための試験にもなるんだ。当日は向こうのメンバーも   たくさん来るから。そこで一つお前の歌声を披露してほしいんだ。」 「分かりました・・・私,ガンバリます!!」 その頑張りがあったせいか、それとも彼女の才能か・・・。 何の危なげも無く地区予選を突破し,全国大会へ・・・。 そこでも彼女の才能が光る、聴くもの全てを魅了する最高の声質は 関東圏のJKMCメンバーをもあっけに取られるほどだった・・・。 最高の状態で大会を終え。☆☆☆☆☆試験の最終課題が某所で行われた。 そして審議の結果・・・・・・・彼女は合格。 ここにJKMC史上最年少の☆☆☆☆☆マスターが誕生した。 姿勢、精神、考え方・・・能力よりもむしろ内面を重視する☆☆☆☆☆の資格・・・。 普通18歳以上でないと取れないと言われていた物を、17歳で取ってしまったのだ。 そしてSランクのAN「女神」「スペシャリスト」をも手に入れたのだ。 「仁木・・・これからどうする? 知ってると思うが☆☆☆☆☆マスターにはたくさんの   特権を貰える代わりに,たくさんの仕事が任される事になるけど・・・。」 「私、やめませんよ! だって・・・もっとうまくなりたいから・・・。」 「・・・まさかお前・・・狙うのか?最高ランクのANを。」 「ANは・・・目標です。確かにそれを目指して頑張ればまちがいありません。  でもそれは・・・あまり関係無いです。私はただある事を見極めたいだけですから。」 ある事・・・・ ☆☆☆☆☆試験の時にも言ってたな・・・ 「・・・・ANは結果として残る物か・・・・。うん、その方がお前らしい。」 「これからも私,ガンバリます!」 その言葉を最後に、彼女はJKMCに顔を出さなくなった・・・。 会合はいつものように行われたが、何かポッカリ穴の空いたような気持ちだった。 無断で休むような彼女じゃない、心配になった僕は会合が終わって彼女に連絡。そしたら・・・・。 「麗華は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 ............................................................................................ 消え入りそうな母親の声・・・・僕は病院に走った。 そしてそこで見たものは・・・・・ 「面会謝絶」の文字と、ガラス越しに見える痛々しい彼女の姿だった。 見た瞬間涙があふれ、力が抜け、しばらくは何も考えられなかった・・・。 どれくらいの時間が経過しただろう・・・・。 ようやく冷静になった僕は、事の重大さに気がついた。 この事をみんなが知ったら・・・どうなる? メンバーの憧れの的であり、人望も厚く才能もある、そんな彼女がこんな事になった・・。 まず・・・何人かが絶望に淵に立たされる・・・そして最悪の場合・・・・自殺? 確かにあれを見た瞬間・・・僕でさえ一瞬死にたくなった・・・ これが感受性の高い他のヤツらだったら・・・取り返しのつかないことになるかもしれない。 そんなことになったら・・・当然その個人もやばいが・・・。 北陸支部が・・・イヤ最終的には・・・JKMC全体が壊滅してしまうかも知れない・・・。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 今思えば。あまりにも片寄った考え方だったと思う。 でも、JKMCが始まってからの会員だった僕は、とにかくこのサークルを潰したくなかった。 .......................................................................................... それで・・・僕は・・・・。 「えぇ〜、大変残念ですが、仁木麗華さんは一身上の都合によりJKMCを退会する事になりました。」 当然反響は凄かった。なぜ急に?どうして? でも本当のことは言えなかった、「本人が一身上の都合とだけ言った」と答えた。 その後・・・俺は彼女の事を忘れ様と思って必死にカラオケの練習をした。 そして、ついに彼女と同じ☆☆☆☆☆のレベルにまで達し、北陸の支部長を任される事になった。 心は・・どこか虚しく・・・。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「仁木君・・・・ちょっと出ないか。」 「あ・・・はい。」 部屋を出て外のベンチに座る・・・。今日はいい天気だ・・・。 「カラオケは・・・お姉さんに教えてもらってた?」 「え?・・・ええ、そうです、病院に入る直前まで・・・。」 「そうか・・やはり・・・・。」 あの歌い方、あの歌唱力、おそらくは技術的なところまで教わったに違いない。 出なければあそこまでうまくはなるわけが・・・。 「あの・・・姉さんは・・・その・・・JKMC? そこで何をしてたんですか?」 唐突な質問だ・・・でも弟なら当然気になるところだろうな・・・。 「君の姉さんは・・・JKMC会員としては最高の功労者だよ。」 「功労者?」 「彼女は・・・とにかくうまかった。歌う事も、技術的な事も、指導する事も。   その類まれなる才能で、他のたくさんいる会員達を指導してきたんだ。」 「指導? カラオケのですか?」 「そう、そして自らも練習して内らの会員の中で最高の『AN』を持つ事が出来たんだ。」 「『AN』?・・・あの・・・JKMCって一体・・・・。」 とうとう話す時が来たな・・・・さて・・・どんな反応をするか・・・・・・。 「うちらのサークルはカラオケを『極める』事を目的としたサークルでね。」 「『極める』?・・・カラオケを極めるって・・・どう言う事ですか?」 「それは・・・人によって捉え方も考え方も違う。それを考えるのも活動の一つと言える。」 「?????それじゃあ、目的が曖昧な気が・・・・。」 「いや、それはむしろ『人によって目的が違う』言える。例えば『うまく歌う事』が極める   と思うなら、『歌唱力の向上』を目的とした活動をし、「たくさん歌う事」だと思うならば、   「レパの増加」の活動を行う。だから捉え方が違うと言えるんだ。」 「は・・・はぁ・・・なるほど・・・それじゃあ『AN』というのは?」 「『AN』・・・これは略語で、本文は『Another Name』。」 「アナザーネーム?」 「日本語で「異名」って事、大抵の会員はこれを目標として活動する。」 「ANを目標に活動?どう言う事ですか?」 「ANは『ある条件を満たした時に手に入る』言わば・・・・『勲章』みたいなもので。   取得難易度が高い程その価値は高くなる。そのレベルはD,C,B,A,A+,S,特S   の順に高くなる・・・まぁ特S取得者なんて全会員中1%未満だけどね・・・・。」 「は・・はぁ・・・なんか凄いですね・・・徹底してると言うか・・・・。」 「この前あった彼、赤川君はランクAのAN『歌い手』を持ってる。相当高い『歌唱力系』のANだ   全会員中10%程度しかいないんだぜ、手に入れるためにたくさん練習したらしいしね。   そして・・・・君の姉さんなんだが・・・・。」 「姉さん・・・」 「彼女は・・・内らの会員の誰もが憧れるSランクのANを持っていた。それも二つも・・・。   そして近い内に特SランクのANを手に入れると信じられていた・・・でも・・・。」 「姉さんは・・・・。」 「・・・・・・・・僕が知ったのは、事故があった5日後だった・・・・・・・・。」   「姉さんは・・・・・そこで・・・・・・・楽しそうでしたか?」 「え?・・・・・ああ・・凄くね・・・・いつも笑顔で・・・それに誰からも愛されていたよ。   誰よりも熱心に活動し、思いやりがあって、指導も的確、誰もが認めていた。   彼女自身もきっと満足してただろうな・・・・・・・・・・イヤ・・ある事を除いては・・・。」 「ある事?」 「・・・・彼女は『ある事を見極めたい』と言っていた、そのためにもっとうまくなりたいと・・・ 「そ・・・それは!!」 「言っていたよ・・・彼女は・・・☆☆☆☆☆最終試験で   『歌は人を幸せに出来るかもしれない・・・でもカラオケの歌は人を幸せに出来るでしょうか?』」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・・・・・・・・・・・・ずっと前・・・・姉さんが言ってました・・・・・・・・・・。   『歌には力があって,それを歌う歌手によって100%の効果が出せる,だから歌と歌手は    二つで一つなの,分かる? まぁそれはあくまで一流の歌手に限った事だけどね。    だからカラオケは、【出来る限り歌手に表現を似せる事が大事】って分け。    でも完全には無理よね。聞き手は単に歌声だけを聴いてるわけじゃなくて、    その歌手の雰囲気、くせ、それに歌い手の人柄を思いながら聴いているから。    そうなると・・・歌手通りの100%の効果は期待できない・・・・・。    だから、本当に自分がその歌の100%を引き出そうと思ったら    その歌に関して【全く違う新しい歌い方】を自分で考えないと行けないの。    とても難しい事よ。友に分かるかな・・・・・・。』   ・・・・・・・・・・・・今思えば、これが姉さんのカラオケを極めると言う事だったんですね。」 「彼女は・・・確かに『自分自身の歌い方』をもっていた。そしてその歌の100%・・・・イヤ   120%くらい引き出せていたよ。みんなを感動させる歌い方を彼女は知っていた。」 「姉さんは・・・・『極める』事が出来たんですね。そして『ある事』を見極めたかった。」 イヤ・・・・・彼女の見極めは正しかった。彼女の歌は会員のみんなすべてを幸せな気持ちにしてた。 本当は次に会う時に言うつもりだった。でも・・・・・・・・・・どうして・・・・・・・ どうして・・・・ おっと・・・眼が熱くなってきた。また赤くなりそうだ・・・。 本当は教えてあげたいけど・・・彼に入会のキッカケを与えないと行けないからな・・・。 ・・・・そろそろ本題に移らないと・・・。 「その、君の姉さんの『見極め』、仁木君・・・君、受け継ぐ気はないか?」 「え・・・?」 「・・・・JKMCに入会してくれないか?そして姉さんの・・・・。」 「そ・・・そんな・・・僕なんかに・・・・。」 「イヤ!君は分かってるはずだ、自分の実力を。JKMCで練習すればきっともっとうまくなる!」 「そ・・・そうでしょうか・・・。」 よしノってきたな・・・・。 「そうだって、君なら絶対に最高のAN『マスターオブマスターズ』とれるって。」 「ま・・・『マスターオブマスターズ』?」 「君の姉さんが後もう1歩の所で取れなかったANさ。君ならきっと・・・。」 「・・・・少し・・・・考えさせてください・・・・。」 ================================================ 「姉さん・・・・。」 部屋に戻った僕は、治療の準備をする。 あれから、神楽坂さんは帰ってしまった。連絡先だけを置いて。 「それじゃあ参加する気になったら電話して、後はこっちで何とかするから。」    〜♪〜   治療中    〜♪〜 姉さんはなにも語らず、ただ眠っているだけ。質問してもなにも答えは返ってこない。 でも・・やっぱり聴いてもらいたかった・・・。 「姉さん・・・僕は受け継ぐべきなの?姉さんの意志を・・・。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・やっぱり答えは返ってこない。自分で決めろって事だよね。 カラオケは確かに好きだ・・・でも『極める』となると、カラオケが楽しいものでなくなりそうな 気がする。それが一番恐い。唯一の趣味だから・・・。 どうする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ あ! 姉さんはこのサークルにずっといたんだ。歌う事が大好きな姉さんが『楽しくない事』 やり続けるはずがない。きっとこのサークルは楽しいんだ。 それに・・・僕だって出来るならもっとうまくなりたい。もっと色んな事が知りたい。 ジャパンカラオケマスターズサークルって言ううくらい出し、きっと色んな人がいるに違いないんだ。 姉さん・・・・答えは出たよ。姉さんの『見極めたい事』は僕が引き継ぐ! そしていつか姉さんと同じ位置に・・・・・イヤ、乗り越えて行けるように頑張る! 頑張るから・・・・見守ってて・・・・。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「新規会員?」 「ああ・・・なんでも、支部長直々にテストしたらしいぜ。それで満点合格だって・・。」 「マジで!? 一般人で!? そんな奴いるのかよ・・・。」 「あいつ・・・・いよいよ来るのか・・・。はたして・・ここの空気に馴染めるかな・・・。   ここは普通とは違うところ・・・JKMCだぜ、どこぞのカラオケサークルとは違う・・・。」 ガラガラ・・・・。 「新入会員を紹介する!仁木友信君だ!仲良くやるように。」 「よろしくお願いします!」 そして、新たな伝説が始まる・・・・・・・・・・・・。 - 完 - は〜い、長く続いたこの「カラオケ物語」もついに最終回となりました。 ご愛読の皆様(って誰も読んでなかったりして・・・・)ありがとうござしました。 しかし・・・なぜ、こんな中途半端な所で終わったのかと言うと・・・。 これは・・・「物語」が終わったと言う事に過ぎないんです・・・。 そう・・・これから始まる新コンデンツの布石にね・・・・。 それでは、次回HPリニューアル時にお会いしましょう。それではさようなら。


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