「カラオケ物語」第二部
第1話「encounter」
赤川 昭介=赤
ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・。
ここまでずっと走ってきた、たった一つの想いを持って・・・。
ここに・・・ここにあの人がいる・・・。
3年前からずっと目標にしていたあの人が・・・・。
・・・・・・仁木さん・・・・・・・・・
会いたかった・・・ずっと会いたかった・・・。
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田舎っぽい景色、古びた校舎、見なれない渡り廊下、そして、必要以上にざわついた教室・・・・。
「転校生を紹介する、入りなさい。」
先生に呼ばれて中に入る、一斉に注目を浴びるのにももう慣れた。
赤「東京から来ました、赤川昭介です。誕生日は11月8日さそり座B型
趣味・・と言うか特技はカラオケです。よろしくお願いします。」
僕は今日ここに転校してきた。
父親の仕事の都合なんて言うお決まりの理由で僕は住みなれた東京を後にした。
結果、たくさんの友人と仲間をお別れする事になってしまった・・・。
転校には反対だった、
自分一人ででも東京で暮らしたかった。
でも・・・。
引越し先を聞いて、僕は考えを変えたんだ。
ある一つの希望が叶うかも知れなかったから。
月並みな自己紹介も終わって、席についた。
「カラオケ得意なの?」
赤「うん、まぁ・・・ぼちぼちかな?一応何でも歌うよ。」
「ふ〜ん・・・。」(クスクス・・・・)
相手が急に笑い出した、やっぱり特技が「カラオケ」って言うのはおかしいのかなぁ・・・。
でも・・「声楽」って分けでも「合唱」って言うわけでもないし、
東京じゃ結構通じてたのに・・・やっぱりここでは通じないのかなぁ・・・。
赤「カラオケが得意っておかしいかな?」
「あ・・・御免違うの、内の学校にカラオケの凄い人がいて、その人と比べたらどれくらいかなぁって思って。」
赤「凄い人?何?うまい人がいるの?」
「うまいって言うか〜・・・・」
そしたら、急に周りのみんなが話に乗ってきたんだ。
「そうそう、うわさでは『歌で不良を圧倒』したとかね。」
「内のカラオケ大会でも優勝したし・・・。」
「このクラス内でも、あの人の歌を聞いて泣いた人たくさんいるよ。」
ほぅ・・・これは確かに凄いな・・・そんな人がいるのか・・・
是非一緒にカラオケに言ってみたいなぁ・・・とか思ってた矢先の事だった。
誰かがこんなことを言い出したんだ
「もう、誰もが認める『カラオケマスター』だったよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最初僕は耳を疑った・・・・・・・・。
でも、確かに『カラオケマスター』と言う言葉が出てきたんだ。
赤「カラオケマスター・・・・・・て言った?今」
「うん、言ったけど・・・・赤川君?」
そ・・・そんな馬鹿な!カラオケマスターって・・・で・・でも間違い無い。
この学校にカラオケマスターがいる!
赤「な・・・なぁ・・・その人って・・・。」
「な・・・何?どうしたの?そんなビックリした顔して。」
焦っていた、異常なまでに、まさかこんなに早く会えるとは思っていなかったんだ。
赤「そ・・・その人ってどこのクラス!?」
「あ・・イヤ・・・その、もう卒業しちゃったんだけどね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一気に力が抜けた気がした、やっぱりそんな簡単には会えないか・・・
「あれ・・・?でも確か先輩って地元の大学に入学したんじゃ・・・。」
な・・・なに!
赤「そ・・・それって・・・どこ?」
「えっと・・・こっからだったら近いよ、地図書いたげるね。」
やった!これで近いうちにカラオケマスターに会える、
ここはF県だし、大学生なら車に乗っけてI県K市まで連れてってくれるかもしれない、
こんなに早いうちに、この地域のカラオケマスターに会えて俺ってラッキー!!
・・・そう思っていた、
「はいこれ。ここからだったら自転車で20分くらいかな。」
赤「ああ・・・ありがとう!」
「それにしても・・・何なの?『カラオケマスター』って・・・。」
赤「え・・・?ああ別に何でもないよ、そう言われるくらいうまいなら会ってみたいなぁって・・・」
あれ?みんなは・・・「カラオケマスター」の事を知らないのか?
誰か知ってる人が言い出して、口コミで言葉だけが有名になったパターンか・・・?
赤「おっと・・・危ない、その先輩の名前聞いてなった。」
「えっとね・・・・仁木先輩だよ。」
一瞬寒気がした。
耳を疑う事さえ忘れてしまった。
気がついたら僕は教室を出て走っていた、手に一枚の地図を持って、
仁木さんに会える・・・・会いたい・・・・
ただひたすらにそれだけを考えて走っていた。
そして・・・・
ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・
どれくらいの時間がかかったのかは分からない、僕は大学についた。
赤「こ・・・・ここに・・・仁木さんがいるんだ・・・・。」
僕はここでようやく我に返った。
無断早退してしまった事、上履きでここまできてしまった事、
その人の名前しか知らない事・・・・イヤ、3年前の事だから顔も分かる。
そして・・・これからどうしようかという事・・・・・
季節は夏、とにかく暑い、その事が走ってきた事を後悔させた。もう汗だくだ。
桜咲く季節からもう3ヶ月たっていた。受験の大事な時期だけど・・・僕は・・・。
とりあえず、僕は聞きこみをする事にした。
5,6人で歩いてる、女子大生に声をかけてみる。
赤「あの・・・すみません・・。」
「え?はい。」
赤「この大学に仁木さんと言う方がいらっしゃると思うんですが・・・。」
「えっと・・・学年と学科は?」
赤「あ・・・・!」
しまった・・・そういえばいつ卒業したかもどこの学科なのかもわかんなかった・・・。
赤「・・・・すいません、でも多分一年生だと思うんですが・・・。」
「一年生・・・ねぇあなたわかる?」
「う〜ん・・・学科がわかんないんじゃぁねぇ・・・。」
赤「はぁ・・そうですか、すいません、ありがとうございました。」
ふ〜、やっぱり駄目かなぁ・・・何も聞かずに来たからなぁ
ここに仁木さんがいるのに・・・学校戻ろうかな・・・。
そう、思っていたら・・・あれ?さっきの人が戻ってくる。
「ねぇ!もしかして!!」
赤「はい?」
「仁木って・・・もしかして「カラオケ」の仁木!?」
え・・・・・・
そ・・そう!!正にその通り!!
「それなら知ってるよ!学科はわかんないけど、サークルなら。」
赤「あ・・・ありがとうございます!!」
僕はその人に、仁木さんが所属していると言うサークル室(通称BOX)の場所を教えてもらった。
それにしても・・・・・・・なんて凄いんだ!!
まさか「カラオケ」で仁木さんが出てくるなんて!こんなに凄い有名人だったなんて・・・
やっぱり僕の目は間違ってなかった、凄いカラオケマスターだったんだ。
早速僕はそこのBOXに向かった。
そこのBOXには「歌い処 紅」と書いてあった・・・。
紅・・・Xファンの集団だろうか、それとも瀬川栄子・・・の分けないか。
おそるおそる部屋の中を覗いてみた。誰かいる・・・。
威を決して、僕はBOXの扉を開いた。
赤「すいませ〜ん・・・」
「ん・・・あ・・どうも初めまして、入会希望ですか?」
赤「い・・・いや・・その・・・ここに仁木さんと言う方がおられると聞いたんですが・・。」
「仁木?ああ〜ああ。何?君もうわさ聞きつけて来たの?」
赤「え・・・?ええまぁ・・・。」
「最近その仁木の歌が聞きたいって来るヤツが後を絶たないんだよなぁ・・・。」
赤「え?そうなんですか?」
「まぁな、確かにめちゃくちゃうまいし、内らの中でも凄い新人が来たってもう大変よぉ。」
す・・・凄い・・・本当に仁木さんには何度も驚かされる。
もう、ここの大学のアイドルになってるんじゃないのか?でも・・・競争率高そうだなぁ。
赤「そ・・・・それで仁木さんはいつここに来るんですか?」
「ああ・・そうだな、今日はどこも昼で終わりだし、昼には来るんじゃないか?」
ああ〜!!会える!仁木さんに会えるんだ!!くぅ〜!うれしい!うれしいよぉ!!
ずっと・・・ずっと会いたかった、あの日始めて見た時から僕は・・・・
以来ずっと会った事のない仁木さん、いつか会いたいと思っていた。
それが・・・それが・・今叶う・・・・。
転校初日・・・・こんなに早く仁木さんに会えるなんて・・・
ああ〜!!何を話そう?こんな時ってどんな話をすればいいのかな?
そうだ!!JKMCについて話してみよう!これなら自己紹介も出きるし。
どうやら、ここの周りの人はJKMCの事を知らないみたいだし。
今までその話が出来なかった分きっと喜んでくれるはずだ、よしいける!いけるぞ〜!
「お?もう昼休み頃かな?」
僕はここで仁木さんが来るのを待たせてもらう事にした。
ガラガラ
「お?新入会員か?」
扉が開くたびに胸が騒ぐ。
「いや、仁木のファンだよ。」
「へぇ〜珍しいなぁ、男のファンなんて・・。」
「あ・・・そういえばそうだな。」
とりあえず、最初は何て言おう・・・
「今日も昼から行くんだよな、一人友達連れてきたんだけど。」
「最近本当に多いなぁ、入会じゃなくて単に仁木の歌を聞きに来るヤツ」
「でも、実際うまいしな・・・ラルクとか。」
初めましてかな・・・・・。
「何でも最近、また新しいの覚えたらしいぜ『桜坂』とか。」
「『ナンダカンダ』も覚えたって言ってたな。」
「本当に何でも歌えるなヤツだよなぁ。」
いや・・・お久しぶりです・・・かな・・・・。
「あ・・・・仁木が来たぜ。」
ガラガラ
赤「あ・・・!は・・・お・・お久しぶ・・・。」
そこで僕は・・・・・・・。
-to be continued-
どうも、カラオケ小説第二部で〜す。
今回から新しく変わったシステム、一人称による物語です。
こっちの方がカッコ書きを節約できるかなぁって思ってみたんですが・・・。
いやはや、あんまり変わってなかったかな、まぁ仕方ないか題材が「カラオケ」だし(笑)
encounterとは「出会い」と言う意味です。
さて、今回登場した赤川昭介君。第二部の新キャラです。今回は彼の一人称でした。
これからしばらくは彼の一人称の物語になる予定です。
でもある回を境に、色々な人の一人称になると思うので楽しみにしていてください。
JKMC、カラオケマスター、そして仁木。まだまだ謎がいっぱいの第1話、
でも、第1部から読んでる人だったら少しは検討もつきそうだけど、
さぁこれから先どうなるんでしょうか。
それでは、第二話「prologue」をお楽しみに。予告
つまらんとは思うけど、読んだら感想書いて欲しいな。掲示板にでも・・・。
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